研究課題/領域番号 |
19K05869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
岩槻 健 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50332375)
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研究分担者 |
早津 徳人 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (80543058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 味細胞 / 幹細胞 / 霊長類 / げっ歯類 / RNA-Seq / 味蕾 / オルガノイド / シングルセル |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの味覚研究は、げっ歯類をモデルに研究が進んできた。しかし、げっ歯類と霊長類とは味覚感度や味覚特異性が異なり、ヒトの食品への応用を考えた場合に霊長類をモデル動物として利用することが望ましい。そこで本研究では、霊長類の味細胞モデルとしてサル味蕾オルガノイドを作製し、単一細胞トランスクリプトーム解析により多様な味細胞のクラスターに分類し、げっ歯類と比較した上で霊長類に特異的な味覚受容機構が存在するかを検証する。本研究により、未だ全容が明らかでない酸味や塩味受容機構や霊長類に独特な味覚感知システムが明らかになれば、味覚の基礎的理解が進む他、新規呈味物質の開発などにも貢献すると考える。
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研究成果の概要 |
げっ歯類と霊長類とは味覚受容機構が異なるため、味覚研究には霊長類の細胞を利用することが望ましい。しかし、味覚研究はげっ歯類を用いて進められてきた歴史がある。本研究では、霊長類の味細胞モデルとしてサル味蕾オルガノイドを作製し、Single cell(sc)RNA-Seqにてマウス味蕾組織とサル味蕾オルガノイドとの遺伝子発現を比較した。その結果、味覚受容体はげっ歯類と霊長類の双方で確認された一方、一部の味細胞マーカーはサル味蕾オルガノイドからは検出できなかった。よって、今後霊長類の味覚研究を進めるためには、霊長類特異的なマーカーを探索することが重要になると思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究は、ラットやマウスなどのげっ歯類を用いて味覚研究は進められてきた。しかしながら、最近の研究ではげっ歯類と霊長類では味覚感度や選択性が全く違うことがわかってきた。今回、両者を比較することで、味覚受容メカニズムの中心を担う分子をscRNA-Seqにより比較したところ、甘味、うま味、苦味受容細胞のマーカーは同じように確認されたが、酸味受容細胞のマーカーは必ずしも一致しなかった。このことから、げっ歯類と霊長類では味覚受容機構に違いがあることが示唆された。今後、比較データを元に、霊長類独特の味覚受容メカニズムに迫ることができると考えている。
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