研究課題/領域番号 |
19K05921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
長谷 靜香 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (10448821)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 未利用資源の有効活用 / 緑茶三番茶葉 / 未熟温州ミカン / ヘスペリジンの可溶化 / 紅茶 / 肥満・脂肪肝・脂質異常症の改善 / ラット / マウス / 未熟ミカン / 混合発酵茶飲料 / 抗肥満作用 / ラット初代肝細胞培養 / 可溶性ヘスペリジン / レプチン感受性向上 / 未熟ミカン混合発酵茶 |
研究開始時の研究の概要 |
カンキツ類に含まれるヘスぺリジンは種々の生理作用を有するが、水に難溶であるため食品への応用には限界があり、かつ生体内で効果を発現しにくい。我々は、未利用資源である温州ミカンの未熟果と三番茶葉を、製茶機械の揉捻機を用いた世界初の製法で混合・酸化発酵することで、ヘスペリジンの難水溶性を改善し、さらにラットを用いた摂食実験により中性脂肪低下作用を有する可能性を見出した。本研究では、この混合発酵茶葉の熱水抽出物のラット中性脂肪低下作用のメカニズムを解明するため、灌流肝臓を用いた血中への脂質分泌やエネルギー消費量に及ぼす影響について検討し、抗肥満などに有効な加工食品の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
温州ミカンの生産過程で間引き・放置廃棄される未熟果と、劣質で在庫を抱える緑茶三番茶葉とを混合発酵したミカン混合発酵茶葉を製造・開発した。本茶葉の熱水抽出物(ミカン茶飲料)は、未利用資源を有効活用し、カテキン類やその重合体との共存により未熟ミカン由来のヘスペリジンの不溶性を改善した新しいタイプの紅茶である。 本研究にて、ミカン茶飲料を摂取したマウスにおいて明らかな抗肥満作用が確認された。また、マウスやラットにおける肝臓脂質蓄積抑制作用についても明らかとなった。作用機序として、インスリンやレプチンの感受性向上、リパーゼ活性の抑制、糖質のエネルギーとしての消費促進などが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
規格外の野菜・果実などは、食用と同等もしくはそれ以上に栄養豊富であるにも関わらずその多くが産業廃棄物として処理されている。本研究では、未利用資源である摘果(未熟)ミカンと緑茶三番茶葉を有効活用し、かつ健康効果を見出した点において、産業廃棄物の削減ならびに肥満に関わる諸疾患の予防による国の医療費負担軽減につながる。さらに、地元特産品を用いた加工食品の製造開発により新事業が創出され、地域活性化につながる。これらの社会的意義に加え、学術的意義としては、これまで不溶性のヘスペリジンは人工的な糖転移により可溶化していた所、本研究では化学反応によらず天然成分の共存により可溶化させた点が意義深い。
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