研究課題/領域番号 |
19K05926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平松 祐司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30302417)
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研究分担者 |
長谷川 雄一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00251059)
加藤 秀之 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00813643)
北村 豊 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20246672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 納豆 / ビタミンK / ワルファリン / MK-7 / PT-INR / 臨床試験 / 発酵 / 官能性 / 低ビタミンK納豆 / 機能性食品 / ビタミンK / ワーファリン |
研究開始時の研究の概要 |
国内患者200万人以上が内服する抗凝固薬ワーファリンは、ビタミンKに拮抗してビタミンK依存性凝固因子の肝臓での合成を阻害する。一方、納豆は納豆菌が産生する多量のビタミンKを含有するため、ワーファリン内服患者では納豆は一般に禁じられている。しかしながら、納豆を食べたいと望む患者の声は強く、ワーファリンの薬理作用に干渉しない納豆が開発されれば画期的である。本研究では、当研究グループが8年余り独自に開発を進めてきた納豆のビタミンK低減化技術に基づき、「ワーファリン内服患者が食べられる機能性食品、『低ビタミンK納豆』」を世に送り出すための食品機能評価およびワーファリン内服患者による臨床試験を実施する。
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研究成果の概要 |
納豆は納豆菌が産生する多量のビタミンK(MK-7)を含有するため、ワルファリン内服患者では摂食は禁じられている。しかし納豆摂食を望む患者の声は強く、当グループが開発を進めてきた納豆のビタミンK低減化技術に基づき、ワルファリン内服患者が食べられる『低ビタミンK納豆』の食品機能評価およびワルファリン内服患者による臨床試験を実施した。MK-7低生産菌と独自製法によりMK-7含有量を従来比20%程度まで低減し、食品の機能性・官能性試験を実施した。その後健常者およびワルファリン内服患者による多段階臨床試験を行い、摂食前後でPT-INRと血中MK-7濃度の有意な変化がないことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
納豆というほぼ日本固有の伝統食品が研究開発対象であるため、東アジアを含む国外での同様の研究履歴は見当たらない。国内では、ワーファリンを取り扱う製薬企業がかつて大手納豆製造販売業者と共同して納豆のビタミンK低減化を企図した形跡があるが、特許取得には至っておらず、また開発技術の詳細も公表されていない。本研究課題は発想、方法論ともオリジナリティに富み、食品工学・栄養科学・臨床医学の叡智を集めて食卓への納豆復活を望む患者の声に応えたものである。ビタミンK低減化納豆の製品化は医療現場の固定観念や常識を覆すのみならず、患者およびその家族の日常食への浸透は一定の経済波及効果をもたらすものと推定される。
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