研究課題/領域番号 |
19K05938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
氏原 ともみ 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (60355609)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 味 / 味制御 / マスキング / 味調節 / 超分子現象 / 食品 |
研究開始時の研究の概要 |
苦味・渋味は食品の嗜好性に深く関わる要素であるため、食品産業においては品質管理の点からその強度の制御が必要とされている。シクロデキストリンは他の物質を包接する作用があり、マスキング剤として広く使用されるが、十分な抑制効果を発揮できない対象苦味・渋味物質も存在するため、新規マスキング技術が期待されている。本研究では、食品中に存在する化合物間における超分子現象(超分子=複数の分子が非共有結合で集合した分子)を利用して、安全性に対する懸念無く、苦味または渋味を抑制する新たな方法を開発することを目的とする。さらに、その作用機作を解明することにより、食品の味を制御する理論体系の端緒を拓く。
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研究成果の概要 |
本課題では、食品成分の味を調節する味調節物質候補の探索を行い、見出した候補について、構造の異なる成分を含有する2種類の食品への添加での味の変化を確認した。この候補は食品添加物として市販され、十分な食経験があることから、特段の注意なく安全に使用が可能であると考えられた。また、苦味あるいは渋味を有する食品成分の水溶液中での相互作用について計算化学を用いた解析を行い、複合体の構造を明らかにした他、異性体の関係にあり呈味の有無が異なる2つの食品成分について、受容体タンパク質との結合シミュレーションを行った。これらの異性体は、受容体のリガンド認識部位との相互作用の強さが異なることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題において、味をマスキングする食品成分を見出したが、この物質は既に食品添加物として市販されており、安全性に対する懸念なく使用が可能であると考えられる。また、この物質は従来マスキング効果を示すことは知られておらず、現行のマスキング物質とは構造が全く異なることから、既知の作用機作とは異なる方法でマスキング効果を与えている可能性があると考えられる。今後この作用機作について解明することで、新たな味制御法の開発につながることが期待できる。
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