研究課題/領域番号 |
19K05948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高谷 智英 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (00450883)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 筋形成型オリゴDNA / アプタマー / 筋萎縮 / ロコモティブ症候群 / オリゴDNA / 筋芽細胞 / 骨格筋分化 / 骨格筋 / 筋分化 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会では健康寿命の延伸が喫緊の課題である。特に、加齢や代謝疾患に伴う筋萎縮は、運動機能の低下を惹起する。しかし、骨格筋の恒常性維持に必須な筋芽細胞の分化能は加齢により減弱するため、筋芽細胞に作用し、その機能を活性化する分子の開発と実用化が求められている。我々は、筋分化を強力に誘導する分子として、乳酸菌ゲノム配列に由来するオリゴDNA「myoDN」の同定に成功した。本研究では、myoDNの筋分化誘導能を活用し、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)の予防法や、糖尿病等の代謝疾患で併発する筋萎縮の治療法の開発を目指す。本研究により、myoDNが機能性食品や医薬品として応用されることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、乳酸菌ゲノム配列に由来する18塩基の筋形成型オリゴDNA(myoDN)が、特徴的な立体構造を形成して標的タンパク質ヌクレオリンと結合しするアプタマー(核酸抗体)として機能し、骨格筋を形成する筋芽細胞の分化を促進することを明らかにした。myoDNの筋分化促進作用は、糖尿病やがんが併発する筋萎縮モデル、筋芽細胞が腫瘍化した横紋筋肉腫、また家禽であるニワトリの筋芽細胞において確認され、疾患治療や食肉生産への応用可能性が示された。myoDNは、ゲノム配列由来オリゴDNAがアプタマーとして機能することを報告した点でも、核酸医薬開発に大きな波及効果が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
次世代医薬品として期待される核酸医薬品だが、これまでに上市されたアプタマーは1件に留まる。本研究では、乳酸菌ゲノム配列を由来とするmyoDNが、アプタマーとして筋芽細胞に作用し、疾患モデルにおいて筋芽細胞の炎症反応を抑制するとともに筋分化能を著明に改善することを実証した。本研究は、ゲノム配列由来オリゴDNAが、加齢や様々な疾患で生じる筋萎縮の予防や治療に有望な医薬品シーズとなることを示した点において、学術的にも社会的にも意義が大きい。今後、動物試験を進め、myoDNの臨床応用につなげることで、研究成果の実用化が期待される。
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