研究課題/領域番号 |
19K05950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 洋 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50212329)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オルガネラ / エンドソーム / リソソーム / シグナル伝達 / HOPS/CORVET複合体 / 初期発生 / V-ATPase / 上皮組織 / CORVET / エンドサイトーシス / 初期胚 / 細胞極性 / ミクロオートファジー / mVam8 / CORVET複合体 / 原腸陥入 / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
液胞・リソソームを終着点とするエンドサイトーシス経路は栄養の供給、細胞間情報伝達の制御に機能する。「液胞」は植物や真菌に特徴的なオルガネラとされている。私たちはミクロオートファジーというユニークな膜ダイナミクスによって高等動物でも「液胞」が形成されることを見いだした。しかしミクロオートファジーを実現する分子機構はわかっていない。本研究はマウス上皮組織でおきる液胞形成を詳細に観察し、遺伝子改変マウスや薬理学的な介入によりミクロオートファジーを司るメカニズムを同定することを目的とする。さらに、変異マウスの表現型を通して高次生理機能の発現おけるミクロオートファジーのはたす役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
私たちは特定の組織でエンドサイトーシスがミクロオートファジーによって構成されることを見いだした。その生理的な意義を遺伝子欠失マウスを用い解析した。エンドソーム形成に関わるCORVETを欠損する初期胚は、細胞基質のエネルギー状態に応じた代謝の再編成を制御するmTORシグナル経路が途切れている。エンドソーム膜のエネルギー状態はH+ポンプ V-ATPaseによって支配される。V-ATPase欠損胚は細胞極性が喪失し、エンドソーム機能が細胞極性の獲得と維持に関わることを明らかにした。新生仔マウス小腸ではミクロオートファジーを伴うエンドサイトーシスが栄養吸収に重要なことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウス初期胚のエンドサイトーシス経路の最終到達点が大きな「液胞」であることを見いだした。「液胞」は従来、植物や菌類特有のオルガネラとされる。しかし、動物細胞でも「液胞」とよべる巨大なオルガネラが、ミクロオートファジーにより形成される。本研究では、このユニークなプロセスを駆動する分子装置の機能を失ったマウスを解析し、生理的な意義を明らかにした。初期発生における組織パターニングを支配するシグナル経路がミクロオートファジーによって制御されていること、また乳飲期の栄養吸収がミクロオートファジーに依存することなどの発見は周産期直前・直後の発達生理の理解にあらたな知見をもたらすものである。
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