研究課題/領域番号 |
19K05964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野中 聡子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50580825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アグロバクテリウム / 形質転換 / エチレン / GABA / サリチル酸 / 植物ーアグロバクテリウム相互作用 / 植物免疫機構 / 形質転換技術 / 形質転換効率 / エリシター / エフェクター |
研究開始時の研究の概要 |
形質転換技術は、遺伝子機能解析、植物機能強化、ゲノム編集技術など植物基礎科学や植物分子育種分野で幅広く利用されている。しかしながら、十分な形質転換効率が得られないことがあり、この点が律速になっている。本研究は、広い植物種への高効率な形質転換系を構築し、この律速を解消する。申請者はこれまでに、植物が発生する形質転換阻害物質に着目し、その除去能力をアグロバクテリウムへ付与した。この結果、いくつかの難形質転換作物種で形質転換が可能になった。本研究では、これまでよりもさらに多種多様な植物種への形質転換を可能にすることを目指し、植物免疫機構に着目した次世代型スーパーアグロバクテリウムの開発を試みる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、国際共同加速基金(A)の推進のため、共同研究先のスペインへ渡航した。このため、本研究課題は一時中断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
国際共同加速基金(A)の遂行のため、スペインへ渡航し11ヶ月滞在した。そのため、本研究課題を中断した。
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今後の研究の推進方策 |
アグロバクテリウムの感染時に植物から発生するサリチル酸を除去するために、サリチル酸分解酵素遺伝子(NahG)をクローニング、アグロバクテリウムへ導入する。アグロバクテリウム内で活性が維持されるか測定する。植物免疫打破タンパク質HopAdおよびAvrPto遺伝子をそれぞれクローニングし、アグロバクテリウムへ導入する。この際に、これら2つはシュードモナス菌由来であり、シュードモナスの持つタイプ3型分泌系を経由して植物細胞内へ輸送される。一方で、アグロバクテリウムが持つ輸送系はタイプ4型分泌系である。そのままではうまく機能しない可能性もあるので、アグロバクテリウムのタイプ4型分泌シグナルを付与したフュージョンを設計する必要がある。今年度は、フュージョンしたタンパク質の設計とフュージョンさせた後機能することについて、検証する。これまで作成していたエチレン合成抑制ACC deaminase活性付与、GABA合成抑制GABA分解酵素活性付与について同時に付与した場合、発現が低下することがあった。より効果的に形質転換効率を促進することを目指し、プロモーターの改変を試みる。アグロバクテリウムの植物への感染時に発現が上昇するvir遺伝子プロモーターの利用を検討する。ベクターの作出次第、遺伝子発現レベル、酵素活性レベルを確認し形質転換効率が向上するかどうかについても確認していく予定である。さらに、アグロバクテリウムの感染時植物の遺伝子発現挙動を観察し、現在までにわかっているサリチル酸、エチレン、GABA以外にも遺伝子導入に関連する因子の探索を実施する。作出したスーパーアグロバクテリウムver.4については国内3件、国外4件問い合わせがあり、それぞれ配布している。今後も引きつつき配布作業を続けていき、多くの植物種でのスーパーアグロバクテリウムの有効性を検討していきたい。
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