研究課題/領域番号 |
19K05988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柏木 純一 北海道大学, 農学研究院, 講師 (60532455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 干ばつ抵抗性 / 穂光合成 / コムギ / 光合成 / 4倍体 / 穂 / 遺伝資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,携帯型CO2ガス交換測定チャンバーを新たに作成して,遮光実験ではなく,圃場において穂のCO2収支を測定する.これにより穂の光合成を直接測定して, i)干ばつ条件下において光を受けている穂の光合成が,潅水した通常栽培環境と比べてどの程度低下するのか?そして, ii)その低下程度にはコムギ系統間で差異が認められるのか?について調査する. コムギの穂での光合成を直接測定することにより,干ばつ環境下においても,穂の光合成を高く維持できるコムギ系統を新規に特定できる.そして,本研究より得られる新知見や新しい有望なコムギ遺伝資源は,今後のコムギの干ばつ抵抗性改善育種への利用が期待できる.
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研究成果の概要 |
コムギ干ばつ抵抗性改善のために,干ばつ下での穂光合成能力のメカニズムに関して調査した.土壌乾燥により,子実収量に対する穂のソースとしての相対的重要度が高まり,その寄与率は約20%であった.これには品種間差異と干ばつ環境との相互作用が認められた.穂光合成は,土壌乾燥による葉光合成の低下に対する補償作用として機能する可能性が示唆された.穂光合成のCO2源は,大気CO2だけではなく,子実の呼吸によるCO2が考えられ,それを頴内側の気孔から吸収して光合成を維持した可能性が推察された.これらは,干ばつ環境での脱水回避のために,大気と接する気孔が閉鎖しても,穂が光合成を維持できる一因と考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,食用コムギであるパンコムギ(6倍体)およびマカロニコムギ(4倍体)のいずれの種においても,穂の光合成は干ばつ下の子実収量に大きく貢献する事が示された.また干ばつ下における穂光合成メカニズムおよび葉光合成との関係性を示唆する事ができた.これらの知見により,穂の光合成を通じてコムギの干ばつ抵抗性をさらに改善されることが大いに期待できる.これは,世界の食糧問題に資する上で大きな社会的意義がある. また,本研究で作成した穂光合成を直接評価可能なチャンバーにより,穂光合成能力の評価をより詳細に行う事が可能となった.これは,今後の穂光合成の研究を進めるうえで非常に大きな学術的意義がある.
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