研究課題/領域番号 |
19K05991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
金勝 一樹 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60177508)
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研究分担者 |
村田 和優 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター農業研究所, 副主幹研究員 (80500793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 種子温湯消毒 / 水稲 / 大麦 / 減農薬 / 病害防除 / 遺伝解析 |
研究開始時の研究の概要 |
作物の病害は種子伝染性のものが少なくないので、種子消毒は重要な工程である。水稲種子の温湯消毒法は、60℃のお湯に種子を浸漬するだけの農薬を使用しないクリーンな技術である。我々は種籾の水分含量を10%未満に乾燥させると高温耐性が著しく向上し、多くの品種で防除効果の高い65℃以上の高温で消毒できることを見出した。この技術を用いれば、水稲以外の作物種にも、温湯消毒法を適用できる可能性がある。そこで本研究では、事前乾燥処理により水稲種子の高温耐性が強化される機構を解明し、さらに水稲以外の多様な作物の種子で防除効果の高い温湯消毒を実現するための研究を行う。
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研究成果の概要 |
我々はこれまでに、農薬を用いない水稲種子の温湯消毒法において、種籾の水分含量を10%未満まで落とす(事前乾燥処理)と高温耐性が強化できることを見出し、防除効果の高い温度で処理できる消毒法を確立している。事前乾燥処理による高温耐性強化機構を解明するために、遺伝学的な解析(QTL解析)を行った結果、この機構に関わる遺伝子は第1染色体上に座乗することが明らかとなった。また事前乾燥の処理条件としては、40~50℃程度で12~24時間加温して乾燥させる方法が実践的であることも示された。さらに、大麦の種子でも事前乾燥の効果が認められ、温湯消毒は麦芽製造過程でも有効な消毒法になり得ることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が開発した「事前乾燥処理」を組み込んだ高温温湯消毒法は、防除効果が高く、農薬による種子消毒法に置き換わることができる優れた技術である。本研究では、事前乾燥処理による高温耐性強化機構に関する知見が得られ、生産現場で実用的な「事前乾燥処理法」も確立できた。さらに水稲以外の作物種の大麦でも事前乾燥処理の効果があることが示された。これにより、種子消毒においては農薬を大幅に削減でき、クリーンな農業の実現が可能になる。
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