研究課題/領域番号 |
19K06048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小松 健 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60451837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植物ウイルス / ポテックスウイルス / オオバコ / ユリ / 多年生野草 / 系統解析 / 集団遺伝学的解析 / 適応進化 / 植物RNAウイルス / 遺伝的多様性 / 野草 / 系統学的解析 / ホストジャンプ / 集団遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的な貿易自由化に伴い、未知の植物ウイルスが農作物に遭遇・感染しこれらにホストジャンプし、パンデミックを引き起こす可能性が高まっている。本研究では、多年生野草が遺伝的に多様なウイルス株を生み出す「ゆりかご」として、農作物へのホストジャンプを準備している可能性を、鑑賞ユリに壊そ症状を引き起こし世界的に問題となっているオオバコモザイクウイルス(PlAMV)を用いて検証する。具体的には、(1)多年生野草に感染し続けることでウイルスの遺伝的多様性が高まるかを調査し、(2)PlAMVの野草分離株と鑑賞ユリの壊そ系統との集団遺伝学的な全ゲノム比較、および逆遺伝学的解析によりホストジャンプを実証する。
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研究成果の概要 |
オオバコモザイクウイルス(PlAMV)は機械的伝搬性のポテックスウイルスで、ユリに壊疽を生じるほか多様な野草から分離される。新分離株を含む全34分離株の系統解析の結果、PlAMVは分離宿主や地域に対応した5クレード(Lily clade, Clade I-IV)に分かれた。分離株の植物への感染性や病徴はクレードごとに異なり、特にオオバコには、オオバコの分離株を多数含むクレード IIIの分離株のみ全身感染が認められた。また、野草分離株はいずれも鑑賞ユリに接種当代での感染が認められなかった。適応進化解析では、複製酵素と外被タンパク質コード領域を中心に各クレードに特有の適応進化座位が複数検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はオオバコという誰にとっても身近な多年生野草に感染しているPlAMVというウイルスが、日本国内だけでも大きく2つの集団に分かれていることを示すとともに、これらのユリへの感染が難しいことを示した。このことは、鑑賞ユリに被害を及ぼしている本ウイルスの一群は一度だけ進化し、ユリに特殊に適応したものであることを示しており、検疫上問題となっている本ウイルスの性状把握に重要な知見を提供するものである。
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