研究課題/領域番号 |
19K06061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山口 公志 近畿大学, 農学部, 講師 (20722721)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | エフェクター / 植物免疫 / イネ / イネ白葉枯病菌 / 核局在 |
研究開始時の研究の概要 |
病原菌は、植物への侵入に伴って、植物の細胞内にエフェクターと呼ばれる分子を分泌し、植物の免疫応答を強く阻害することで、自身の感染環境を有利に制御している。これまでに植物の細胞内小器官に特有なエフェクターを介した免疫阻害機構の報告がある一方で、核に局在するエフェクター研究はTALエフェクターに限定され、他のエフェクターの解析は進んでいない。本研究では、病原菌が進化の過程で獲得した核局在性エフェクターによる植物免疫の抑制機構を解明することを目的としており、既知のスクリーニングでは単離が難しい核内の免疫制御因子を同定し、新たな植物免疫システムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
世界の農作物の約15%は病害により失われており、人口増加に伴う食料不足を考慮すると、この損失をどのように抑えるかが重要な課題である。病原菌のエフェクタータンパク質は、植物細胞内に分泌され、植物免疫の阻害など自身の増殖に有利な環境を作り出す。そのため、免疫抑制活性を持つエフェクターは、植物免疫の主要な機構を標的にしていると予想される。申請者は、イネ白葉枯病菌のエフェクターの中から、免疫抑制活性を有するエフェクターXopZを同定した。さらに、XopZの標的タンパク質がイネの免疫を正に制御することを明らかにし、耐病性イネを作出する上で、この標的タンパク質が有用な遺伝子資源となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者は、イネの耐病性機構を抑制するために、イネ白葉枯病菌病原菌が獲得してきたエフェクタータンパク質に着目した。これまでに、イネ白葉枯病菌エフェクターXopZの過剰発現イネの解析から、XopZがイネの免疫を阻害することを明らかした。さらに、XopZのイネの標的因子として、機能未知のタンパク質を同定した。この機能未知タンパク質を欠損したイネは、イネ白葉枯病菌に罹病性を示すことから、この機能未知タンパク質がイネの免疫に関与する新規の遺伝子であることが示唆された。
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