研究課題/領域番号 |
19K06066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
内野 彰 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, グループ長補佐 (20355316)
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研究分担者 |
秋本 千春 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長補佐 (50414876)
岩上 哲史 京都大学, 農学研究科, 助教 (00761107)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 除草剤抵抗性 / ヒエ属水田雑草 / 解毒代謝 / 多剤抵抗性 / シハロホップブチル / ヒメタイヌビエ / タイヌビエ / ACCase阻害剤 / ALS阻害剤 / イヌビエ / P450 |
研究開始時の研究の概要 |
多様な除草剤に対する抵抗性(多剤抵抗性)の被害が世界的に懸念されており、日本でも近年になって水田雑草ヒメタイヌビエの多剤抵抗性が確認された。本研究では、日本のヒメタイヌビエについて複数の多剤抵抗性系統を用い、交差抵抗性の解析、作用点抵抗性の解析、非作用点抵抗性の解析を行い、多剤抵抗性機構の解明を試みる。多剤抵抗性に対する有効除草剤の予測には抵抗性機構の解明が必要であり、本研究の成果は適切な防除体系の確立に貢献する。
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研究成果の概要 |
日本のヒエ属水田雑草における除草剤抵抗性の状況と抵抗性機構を調べ、以下のことを明らかにした。(1)12地域から収集したヒエ属水田雑草31系統を解析し、21系統において新たにシハロホップブチル抵抗性が確認された。そのうちヒメタイヌビエ1系統およびタイヌビエ4系統は多剤抵抗性を示した。(2)抵抗性ヒメタイヌビエEcf108とEcf27では、除草剤作用点に差異が無く、ともにシハロホップブチルの解毒代謝が向上していた。(3)Ecf108では、形質転換体にシハロホップブチル抵抗性を付与する新たな抵抗性遺伝子CBR1の過剰発現を認めた。(4)Ecf27では、解毒代謝酵素P450の過剰発現を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
除草剤抵抗性の機構は大別して、除草剤の作用点変異に起因する「作用点抵抗性」と、それ以外に起因する「非作用点抵抗性」の2種類に分けられるが、近年は非作用点抵抗性による多剤抵抗性が海外で増加し、持続的農業を阻害する要因として強く懸念されている。日本の水稲作ではヒエ属水田雑草が最も広く発生する強害雑草であり、この雑草で多剤抵抗性が拡がると水稲作に及ぼす被害が甚大なものとなる。本成果は多剤抵抗性を含むヒエ属水田雑草の抵抗性機構の一端を解き明かしたものとなる。現場では対症療法的な対策を行っているのが現状だが、本研究の進展により、多剤抵抗性が全国に拡がる前に持続的で有効な対策を立てることが期待される。
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