研究課題/領域番号 |
19K06067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
佐原 健 岩手大学, 農学部, 教授 (30241368)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | FISH / カイコ / トビケラ / BAC / 染色体 / 進化 / 染色体進化 / BACライブラリー |
研究開始時の研究の概要 |
水生昆虫のトビケラは、陸生昆虫のガやチョウと最も近縁なグループです。トビケラもチョウも我々とは異なる染色体構造をしています。そのため、染色体を区別することが困難でした。私たちは、この困難を遺伝子マッピング法(BAC-FISH法)により克服しました。本研究では、この方法を使い、世界初となるトビケラの染色体の特定(カリオタイプ)を実現し、染色体の進化を調査します。これにより、トビケラ類のみならず、祖先的なチョウ類の染色体進化を予測可能にします。さらに、雌へテロ型性染色体(雌WZ/雄ZZ、ヒトでは男がXY女がXXの雄へテロ型)をもつチョウ目昆虫雌のW染色体の由来を推定します。
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研究成果の概要 |
農業害虫の多くを含むチョウ類に最も近縁な水生昆虫のトビケラについて染色体の進化解明を研究対象とした。蛍光色素ラベルにより特定のDNA配列を染色体上で視覚化できるFISH法を用いるため、既存1種に加え新規2種のトビケラ類のBACライブラリーを構築した。BAC-DNAを用いたFISHマッピングにより、3種の遺伝子配置を特定し、モデルチョウ目昆虫のカイコゲノム情報と比較した結果、進化的な上科ではカイコと染色体対応関係が認められる一方、祖先的な上科では認められなかった。よって、カイコを代表とするチョウ目昆虫染色体の祖先形は、トビケラ目昆虫の進化的な上科と共通すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カイコをはじめとするチョウ目昆虫の染色体は、切断が起きても分裂サイクルから排除されないため、様々な染色体変化があると予測されていた。しかし、チョウ目昆虫の大部分の染色体構成は、ほぼ一様である。こうした構成がどこからはじまったのかについて本研究では姉妹系統関係にあるトビケラ昆虫の進化的グループであると明らかにした。これによりチョウ類の害虫化に関連する遺伝子の探索の基盤が形成できた。
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