研究課題/領域番号 |
19K06083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
風間 健太郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (60726842)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 漁業廃棄物 / カモメ類 / 人間活動の影響 / 採餌効率 / バイオロギング / 漁業資源 / 絶滅危惧 / 人工物への依存 / 繁殖 / 人為影響 / 栄養価 / 生理状態 / 海鳥 / 海洋生態系保全 / 準絶滅危惧種 / 漁港 |
研究開始時の研究の概要 |
個体数を急減させているオオセグロカモメのに小型GPSを装着し、本種の通年にわたる採餌場所を調べ、個体の通年にわたる人工餌の利用頻度を明らかにする。さらに、この追跡調査に個体の生理状態の分析と繁殖モニタリング調査を組み合わせ、本種の通年にわたる人工餌の利用程度が個体の繁殖や生残に及ぼす影響についてその行動・生理学的メカニズムまでを含めて検証し、本種の減少原因を解明する。
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研究成果の概要 |
近年急速に個体数を減らしているオオセグロカモメは、漁業廃棄物や残飯などの人工餌をよく利用する。一般に栄養価が低い人工餌への強い依存は本種の繁殖成績を低下させる可能性があるがその影響はよくわかっていない。本研究では、GPS追跡と繁殖モニタリングを併用し、本種の人工餌の利用が繁殖に及ぼす影響について個体レベルで明らかにした。本種は漁港や水産加工場などの人工環境で採餌した場合、巣を出発してから餌を巣に持ち帰るまでの時間が長く、持ち帰る餌の重量と栄養価は少なかった。これらの結果より、本種が人工環境を利用すると、給餌効率が低下し、潜在的に繁殖成績が低下することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間活動を起源とする餌資源が野生動物に及ぼすインパクトの解明は世界的な課題となっているが、実証的研究は少ない。本研究ではオオセグロカモメを対象としてGPS追跡と繁殖モニタリング調査を併用することで、漁業廃棄物や残飯などの人間活動起源の餌の利用が潜在的に本種の繁殖に負の影響を及ぼし、個体数減少の一因になり得ることをはじめて明らかにした。
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