研究課題/領域番号 |
19K06085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
玉手 英利 山形大学, 学内共同利用施設等, 学長 (90163675)
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研究分担者 |
兼子 伸吾 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (30635983)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 分子系統地理 / 遺伝学的集団 / 外来種 / 集団構造 / 遺伝的分化 / 系統解析 / 遺伝的集団構造 / 侵略的外来種 / 生物多様性 / 保全生物学 / 生物多様性保全 / マイクロサテライト / げっ歯類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では小笠原諸島の生態系に大きな影響を及ぼしている侵略的外来種のクマネズミの分布拡大プロセスを明らかにして、根絶対策に役立てることを目的とする。父島諸島では過去に複数回にわたりネズミ類の駆除事業が実施されたが、6島でクマネズミの再出現が確認された。この再出現が、駆除後の生き残り個体からの繁殖によるものか、あるいは駆除が実施されていない他島からの新規移入なのかは不明である。本研究では駆除後に新たに捕獲されたクマネズミの遺伝子分析を行い、各島における過去の個体群動態を推定することで再出現個体の出自を明らかにして、新規移入がある場合にはその移動経路を推定し、駆除の効果を検証する。
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研究成果の概要 |
小笠原諸島におけるネズミの遺伝学的集団構造を明らかにする目的で、父島・母島列島の15地域で捕獲した個体の遺伝子解析を行った。その結果、ミトコンドリアDNAの系統では、列島北部にR. rattus、東部と中央部にR. rattusとR. tanezumi、南部にR. tanezumiが分布することが明らかとなった。核遺伝子では、北部と南部で大きな分岐を持つ集団構造が検出された。この結果は、導入された2系統が交雑した後、隔離または集団サイズの減少により分集団構造が形成された可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では小笠原諸島の生態系に大きな影響を及ぼしている侵略的外来種のクマネズミの分布拡大プロセスを明らかにすることを目的にした。各島で捕獲された個体の遺伝子を調べたところ、父島諸島では起源が異なる2系統の交雑が進んでいること、父島諸島と母島を含む調査地域では島を越えた個体の移動が過去にあった可能性が示された。これらの結果は駆除事業を策定する際に基礎資料として活用できると考えている。
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