研究課題/領域番号 |
19K06090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
須田 彰一郎 琉球大学, 理学部, 教授 (00359986)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シアノバクテリア / ラン藻 / 気生 / カルチャーコレクション / 分子系統解析 / 未記載分類群 / 分類 / 16S rRNA / 16S-23S ITS / 形態 / 系統分類 |
研究開始時の研究の概要 |
沖縄の琉球石灰岩製の石垣や石積みの黒い着色の主な原因は気生シアノバクテリアの生育であることが知られているが,どの様な種類が,どの様な生育過程を経て黒い着色に至っているのかに関する情報はほとんどなく,世界的にも情報は少ない。本研究は,琉球大学構内から確立した気生シアノバクテリア株をもとに新たな株の採集・分離も行い,分子系統解析(特に16S rRNA遺伝子塩基配列に基づく)と詳細な形態観察(光学・電子顕微鏡観察)による多相分類法により分類し,正確で利用可能な分類・培養情報を付与した,気生シアノバクテリア株コレクションを確立する。
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研究成果の概要 |
気生シアノバクテリアは増殖が遅く、純化はもちろん、単一化も困難で、真菌類の排除に時間を要した。確立された株は、分子遺伝学的に未記載分類群が大半を占め、非常に多様性が高いことが明らかになった。ネンジュモ様分類群、スキトネマ様分類群、単細胞分類群などは、それぞれ個別の分類学的研究の途上である。気生シアノバクテリア株の整備は順調に行うことができたが、それぞれの株について、生理活性物質生産性についても寄託前に検討する必要があることから、関連研究者と検討し、公的株保存機関への寄託を見合わせている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
沖縄の建造物の黒い着色のもとは、気生シアノバクテリアの増殖で、分子遺伝学的に非常に多様で未記載分類群が含まれ、世界的にほとんど利用できる培養株がないことから学術的には分類学的な研究材料として、有効利用の点では紫外線吸収物質や生理活性物質などの有用物質の利用研究に用いることが可能となる培養保存株の確立に成功した。さらに、登録分子情報から、人類が火星で暮らすための研究を行っている米国研究グループからも連携依頼があるなど広がりを見せ、将来にも重要な研究となった。
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