研究課題/領域番号 |
19K06120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久本 洋子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60586014)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | bamboo / 一斉開花 / 有害遺伝子 / 体細胞突然変異 / ジェネット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、開花特性の異なる2種のタケ類においてジェネット内の体細胞突然変異とエピジェネティック変異を調べることで、タケ類における有性繁殖は適応的なのかを検証するものである。 タケ類は60~120年の長期の無性繁殖後に一回有性繁殖するといわれているが、実際は種類によって有性繁殖を成功させるものと失敗させるものがある。タケ類が長期間の無性繁殖を続けつつも有性繁殖の機構を放棄していないことから、有性繁殖には例えば有害遺伝子の排除といった何がしかのメリットがあると推察される。本研究からタケ類の有性繁殖の意義が明らかになれば、タケ類のみならずクローナル植物における有性繁殖の適応的意義の解明に繋がるだろう。
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研究成果の概要 |
タケ類は長期間無性繁殖を続けた後に開花する。モウソウチクは開花後に結実、つまり有性繁殖をして芽生えから竹林が回復するが、ハチクは開花しても結実せず、無性繁殖で竹林が回復する。本研究では、タケ類における有性繁殖の役割として長期の無性繁殖で蓄積された有害遺伝子を排除するためという仮説を立て、異なる開花周期をもつモウソウチク3系統と開花前と開花後のハチクで塩基配列の多型を調べた。その結果、モウソウチクでは開花周期の異なる系統で体細胞突然変異の数は変わらず、長期の無性繁殖を続けても体細胞突然変異は蓄積されないことを示した。一方ハチクではラメットによっては多くの体細胞遺伝子変異が見られることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長期の無性繁殖後に有性繁殖をするという特異な生活史特性を持つタケ類において有性繁殖の役割が明らかになれば、タケ類のみならずクローナル植物における適応的意義の解明に繋がると考えられる。また、例えばモウソウチクの地下茎は一年間で平均約2m、長いものは5m以上伸長するが、このようなタケ類の旺盛な栄養繁殖により近年利用されず放置された竹林が周囲の森林等へ拡大する問題が生じている。そのため、タケ類の繁殖特性を明らかにすることは竹林拡大問題の解決にもつながる可能性がある。
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