研究課題/領域番号 |
19K06134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
小川 泰浩 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353628)
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研究分担者 |
上條 隆志 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10301079)
廣田 充 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90391151)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 三日月形緑化資材 / 植生回復 / 侵食 / リル / 侵食地形 / パイオニア草本 / 火山性荒廃地 / 三日月形治山緑化資材 / 三宅島 / 水路実験 / リル間地 / 粗度係数 / 三日月型緑化資材 / パイオニア植物 |
研究開始時の研究の概要 |
噴火活動で火山噴出物が堆積した斜面に発生する地表の流水溝(リル)は侵食の場(水と土砂の排出エリア)とみなされてきたが、植物定着の場(緑のオアシス)に変える地表条件と植物生育過程の解明を行う。具体的には、①噴火跡地に自然侵入する代表的な草本であるススキ(風散布型パイオニア草本)に着目し、現地水理実験と植生定着状況の把握から地表流の影響を受けても草本が定着している地表の物理条件と生育条件を得て、②植生回復が遅れたリルに適切な石礫散布や資材を配置することによる種子定着過程を検証し、その結果から地表流で流されやすい小型軽量種子をリルにとどめ生育を促す緑化手法を提案する。
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研究成果の概要 |
三宅島雄山荒廃斜面の侵食地形(リル)において、3つのリル末端に三日月形緑化資材(本資材)、木柵、石礫で構成された堰を各1箇所設置し流出土砂を観測した。その結果、本資材は、他の資材と同程度に土砂を堰に貯留するにもかかわらず、本資材を通過する土砂は他の資材の3~4割であった。リルにおいて流水実験を行い、植物定着に与える影響を検討した。リルの粗度係数は、リル間地より値が高く、植生のあるリルでは、降灰が堆積していた時期のリルよりも値が高かった。植被率は設置2年後の夏季に入ってから対照区に対し5%有意水準の差が本資材区にみられた。以上のとおり本資材によりパイオニア植物が自然回復する緑化手法が実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リルは侵食地形の一つであり土砂流出の発生源であると一般に考えられていたが、リルの粗度が高まることによって、パイオニア草本種子が地表流で流されずに、リルに自然定着が促されていることが本研究で示唆された。侵食地形であるリルに三日月形緑化資材を設置することによって土砂流出がコントロール可能となり、リルに定着するパイオニア草本が自然回復することを実証した。本研究によって微地形によらず草本種子で全面緑化する既存工法とは異なり、微地形に配慮した自然回復緑化手法が検証された。
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