研究課題/領域番号 |
19K06153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
大貫 靖浩 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究専門員 (10353616)
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研究分担者 |
鳥山 淳平 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00582743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 土壌水分 / 深層土壌 / 乾燥常緑林 / 乾燥落葉林 / 根系到達深度 / 土壌特性 / 樹高 / 土壌物理性 / 数値モデル / 地下水位変動 / 大型土壌断面 / 平地乾燥疎林 / 樹高分布 / 保水能 / 土層厚 / 土壌含水率 / 平地乾燥常緑林 / 平地乾燥落葉林 / エルニーニョ現象 / ラニーニャ現象 / 水分保持能力 / 地下水位 / 土壌硬度 / 樹高測定 / 熱帯平地乾燥常緑林 / 土壌水分供給能 / 土壌水分移動シミュレーション / 熱帯平地乾燥落葉林 |
研究開始時の研究の概要 |
カンボジア中央部には、乾季にはほとんど雨の降らない熱帯モンスーン気候下にもかかわらず、非常に樹高の高い平地乾燥常緑林が広く分布している。しかしながら、乾燥常緑林の樹木は高木に生長しにくいというのが通説であり、植物生理学的な研究だけではその成立条件が説明できない。そこで本研究では、カンボジアの平地乾燥常緑林が立地する非常に厚い土壌層に着目して、同気候下の他地域よりも樹高が高くなるメカニズムや、異常な寡雨などの極端気象下での平地乾燥常緑林の維持機構を、深さ9mの大型土壌断面での土壌水分実測と、降水量・蒸発散量・土壌層厚・土壌特性を組み込んだ、深層土壌水分移動シミュレーションを用いて解明する。
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研究成果の概要 |
熱帯モンスーン地域に分布する平地乾燥常緑林の、乾季の蒸散を支える土壌の水分供給能力を解明するために、数値モデルを用いたシミュレーションを行い、実測値により検証を行った。その結果、強い乾燥が続いた2015~2016年を数値モデルの解析対象にした場合、根系深を8mと仮定し、蒸発散速度の低下レベルの設定を行えば、土壌水分の再現性は相応に高いことを確認できた。現地での実証研究としては、常緑林と疎林では降雨に対する地下水位変動が大きく異なったこと、常緑林では疎林や落葉林よりも土層が厚く、表層土壌含水率が高いこと、それらが常緑林、疎林、落葉林の樹高分布に影響している可能性を確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平地乾燥常緑林の成立条件を解明するために、植生タイプごとの土壌水分供給能の違いを実測値の比較により明らかにし、数値モデルによる土壌水分移動シミュレーションにより、スーパーエルニーニョの特異年における土壌水分動態を再現できた。これにより、気候変動の影響を受けやすい熱帯モンスーン地域における、森林の劣化、減少、回復等の様々なシナリオを想定した、水資源の動態予測に貢献できる。
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