研究課題/領域番号 |
19K06163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
小藤田 久義 岩手大学, 農学部, 教授 (40270798)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / スギ / テルペン / アミロイド / 抗酸化 / 認知症 / アルツハイマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は生理活性作用を有するスギ成分をアルツハイマー病の発症防止ならびに病態改善に役立てることを目的としている。アルツハイマー病の発症にはアミロイドベータ(Aβ)ペプチドが深く関与しており、Aβの重合過程で毒性が発現し、症状が重篤化する。研究代表者らは、線虫をモデル生物としてバイオアッセイを行うことにより、スギに含まれるジテルペンのひとつであるフェルギノールがAβ毒性の緩和作用を示すことを見出した。スギ材にはフェルギノールと類似構造を持つ揮発性ジテルペン類が数多く存在する。本研究ではフェルギノールをはじめとするスギ揮発性ジテルペン類のAβ毒性緩和機能を検証し、その作用メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病にはアミロイドベータペプチド(Aβ)が関与しており、Aβは重合・凝集することにより毒性が発現する。本研究ではフェルギノールをはじめとするスギ揮発性ジテルペン類のAβ毒性緩和機能について検討した。スギ材より単離されたジテルペン類ではフェルギノールおよびデヒドロフェルギノールに活性が認められ、これまでにAβ毒性緩和作用が報告されている抗アルツハイマー病候補化合物(ギンコライドA、カルノシン酸、ロスマリン酸、モリン)とほぼ同程度の効果を示した。また、in vitro条件でのチオフラビンアッセイによりフェルギノールはモリンと同等のAβ凝集抑制作用を有することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで実用的に処方されてきたアルツハイマー治療薬はいずれも対症療法薬であり、重篤な患者を治癒させることは極めて困難であるとされている。したがって、発症する以前もしくは症状が軽微なうちに対処することが合理的といえる。フェルギノール等のテルペン類は揮発性であり、アロマオイルとして日常的にアルツハイマー病の予防に利用できることが期待される。一方、これらスギジテルペン類は、合板製造工程の乾燥廃液から大量かつ安価に分離回収することができるため、原料供給の面においても優れている。本研究成果により焼却処理されている廃液の有効利用が可能となり、ひいては国産材の利用促進につながるものと考えられる。
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