研究課題/領域番号 |
19K06177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
平出 政和 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20353823)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 追加汚染 / 原木栽培シイタケ / 交換性セシウム / イオン交換態セシウム / 移行係数 / シイタケ / 露地栽培 / 放射性セシウム |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原子力発電所の事故から7年以上経過した現在も、環境中へ放出された放射性セシウムによる原木露地栽培シイタケの追加汚染が確認されている。本研究では追加汚染のメカニズム解明に向け、化学的性質がほぼ同質な安定セシウムを併用しながら、ホダ木から子実体へのセシウム移動量に影響を与える要因を明らかにした後、追加汚染源を特定し、更に追加汚染源からホダ木へのセシウム移動量を調査するとともに子実体発生時におけるホダ木内のセシウム移動量を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は放射能汚染地域にて原木露地栽培シイタケに見られる追加汚染のメカニズム解明であり、土壌中の放射性セシウムがほだ木を介して子実体に移行するか検討した。解明に先立ち、子実体に吸収されるセシウム濃度は、ほだ木中のイオン交換態セシウム濃度に強く影響されることを明らかにした。福島県にて採取した放射性セシウムを含む土壌上にて15ヶ月間原木栽培を実施したが、土壌からほだ木への放射性セシウムの移行は認められず、また子実体に顕著な汚染は認められなかった。土壌中の放射性セシウムは土壌鉱物に強固に吸着されており、土壌中の放射性セシウムは追加汚染源ではないと推測される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
汚染地域における原木しいたけ栽培は、直接汚染と追加汚染による被害を被った。直接汚染の汚染源がフォールアウトであるのに対して追加汚染の汚染源は土壌中の放射性セシウムであり、これらがほだ木へ移行することにより追加汚染が生じると推測された。しかし、原発事故から10年以上経過して放射性セシウムは土壌鉱物に強固に吸着されたためか、土壌からほだ木への放射性セシウムの移行は認められず、また栽培現場からも追加汚染による被害は聞かれなくなった。なお、ほだ木下部に発生した子実体にはまれに若干の汚染が認められたが、これらは土壌との偶発的な接触によるためと考えられる。
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