研究課題/領域番号 |
19K06189
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
サトイト シリルグレンペレズ 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (40363478)
|
研究分担者 |
吉田 朝美 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (80589870)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | マガキの付着誘起物質 / 貝殻マトリックスタンパク質 / Gigasin-6 X1/X2アイソフォーム / 付着フェロモン / 超分子相互作用 / Gigasin 6 X1/X2アイソフォーム / マガキ幼生の付着誘起物質 / 同種貝殻のEDTA抽出物 / マガキ増養殖 / ケミカルシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
マガキは、群居性の強い二枚貝であり、幼生の付着は同種異個体によって誘起されるが、その付着誘起物質は未だ解明されていない。本研究は、本種幼生に対するマガキ貝殻由来の付着誘起物質を特定し、本種の群居性をケミカルコミュニケーションの観点から解明することを目的としている。本研究の成果は、本種の付着メカニズムを解明するだけでなく、優良品種等の人工種苗の採苗効率の向上及び新しいマガキの採苗基板の開発につなげる。
|
研究成果の概要 |
マガキ幼生の付着には同種貝殻からGigasin-6 X1/X2アイソフォーム及びStains-allで染色した酸性タンパク質の貝殻マトリックスタンパク質(SMPs)が幼生付着フェロモンタンパク質複合体(CGSPPC)として関与し、SMPsの新たな機能として見出した。幼生の付着に付着誘起物質の糖鎖部位が関わっており、幼生にはレクチン様受容体及び内因性リガンドが局在することも分かった。幼生と稚貝では、貝殻形成に関わる遺伝子は数種のホルモン受容体、神経伝達物質・ニューロペプチド受容体の相互作用に関わる遺伝子調節ネットワークと密接な関連性を示し、付着にエクジソンシグナル伝達経路の関与が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、いくつかのマガキゲノム由来のタンパク質配列に対して構造、機能及び生物学的注釈データを初めて示した。また、幼生の同種に対する識別について、付着誘起物質にある複数の糖鎖部位の関与が示され、今後の群居性の化学的根拠の解明に意義ある成果と考える。さらに、本種幼生の付着・変態は内分泌系伝達経路にバイオミネラリゼーション関連成分の影響が示された。本研究で解明された幼生と同種由来の付着誘起物質の相互作用は海産無脊椎動物幼生の付着機構研究において新しい知見である。本研究成果は、優良品種の高効率な採苗方法の開発に応用が期待される。
|