研究課題/領域番号 |
19K06202
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 実 東北大学, 農学研究科, 教授 (70232204)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | マコガレイ / マガレイ / 卵形質 / 粘着沈性卵 / 分離浮性卵 / ミトコンドリアDNA / RAD-Seq / 集団ゲノミクス / 集団構造 / 次世代シーケンサー / カレイ科 / 姉妹種 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、同属でありながら浮性卵と沈性卵という対照的な初期生態を持ち、沿岸漁業の重要種でもあるマガレイとマコガレイについて、ゲノムワイドな集団遺伝学的調査により各種の日本列島沿岸における集団構造を解明し、資源管理に資することを第一の目的としている。一方、浮性卵と沈性卵は、系統的に遠い分類群間で見られるが、これら2種は同属の姉妹群であるため、対照的な形質の遺伝的基盤を明らかにする上で格好の研究材料となりうる。本研究の第二の目的は、これら2種の集団ゲノミクス情報をベースとして、浮性卵と沈性卵の遺伝的基盤を探索し、魚類一般に見られる卵形質の多様化についての基礎的知見を得ることである。
|
研究成果の概要 |
マコガレイとマガレイは同属だが、前者は粘着沈性卵、後者は分離浮性卵という対照的な卵形質を示す。この卵形質の差異は種内の集団構造に反映されているはずである。全国各地の標本集団についてミトゲノムの分析を行った結果、マコガレイでは15.8%もの遺伝的分化が認められ、7グループに分かれた。マガレイでは0.04%でほぼ均質であった。核ゲノム中の2万から3万個のSNPsを用いて集団構造を調べた結果、マコガレイはミトゲノムの分析結果と一致した。一方、マガレイにおいても海域ごとに有意な分化が検出されたが、程度は小さかった。以上の結果から、2種の卵形質の差異は集団構造によく反映されていると結論できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、同属ではあるが、粘着沈性卵を産むマコガレイと分離浮性卵を産むマガレイについて集団ゲノミクス解析(核DNAにおける大量のSNPs分析とミトコンドリアDNA分析)を行なった。その結果、マコガレイでは海域ごとに著しい遺伝的分化が認められ、7グループに分かれた。一方、マガレイではSNPs分析で微弱な遺伝的分化が検出されはしたもののほぼ均質であった。これらの結果は、卵形質の差異が集団構造に影響するという予測を支持するものであり、両種の資源管理に関して有用な情報を提示する。また、両種の参照ゲノム配列を構築中であり、卵形質の多様化に関する遺伝的基盤を探索する準備が整えられつつある。
|