研究課題/領域番号 |
19K06205
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀和 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90432062)
|
研究分担者 |
長田 敬五 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (10147829)
神谷 充伸 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (00281139)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 付着珪藻 / サンゴ礁生態系 / 分類学 / 形態 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の基盤は,多種多様なサンゴが構造的・機能的柱をなし,様々な生物群集により構成されるダイナミックな生態系である。その修復・創出にあたっては,衰退・消失原因の除去と緩和と共に,これをいかに再現するかを検討することも必要である。付着珪藻はこの高機能生態系の基礎生産者として食物網を支える重要な存在である一方,基質サンゴ白化に関わる害藻として厄介者でもある。それゆえ付着珪藻の実態・動態を把握することは問題解決の糸口となる。本研究は付着珪藻の多様な生存戦略と適応様式に係わる諸機能を解明し,それらに基づいた持続的なサンゴ礁の環境保全技術の開発・改善へ結びつける応用的研究のファーストステップである。
|
研究成果の概要 |
南西諸島の沖縄島及び西表島沿岸に成立するサンゴ礁と周辺の藻場,河川河口域,さらに比較検討のための関東地方沿岸から採集した付着珪藻を光学・電子顕微鏡観察し,6属における形態学及び分類学上の注目すべき結論を得た。特に5分類群に関しては未記載種であることが判明した。特定分類群に対しては培養実験による群体構造分析と分子系統解析,乾燥耐性実験による油滴形成に関する生理生態学研究も合わせて行った。さらに,これまでに申請者らが採集し保管してきた試料を加えて,本邦沿岸域全域に対する出現種組成の類似度と多様度を求め,統計解析による生物地理学的考察を行い,サンゴ礁海域に特徴的な分類群を見いだした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
付着珪藻群集はサンゴ礁生態系の出発点である基礎生産者として複雑な食物網を支える重要な存在である。一方,基質サンゴを白化させ,サンゴ礁の生長・繁茂を妨げる害藻でもある。それゆえ群集の実態・動態を把握することは,これらの問題解決の糸口となる。本研究では,群集構成種の光学及び電子顕微鏡観察による生態学的・分類学的・形態学的知見,遺伝子解析による系統学的知見,統計学的解析による生物地理学的知見,そして乾燥耐性実験による生理生態学的知見を得た。これらの成果は,付着珪藻の多様な生存戦略と適応様式に係わる諸機能を解明し,持続的なサンゴ礁の環境保全技術の開発・改善へ結びつける基礎的資料を提供した。
|