研究課題/領域番号 |
19K06221
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 摂南大学 (2020-2023) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
増田 太郎 摂南大学, 農学部, 准教授 (40395653)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 生体防御 / タイプ3銅タンパク質 / ヘモシアニン / フェノールオキシダーゼ / 甲殻類 / 銅 / クルマエビ / 黒変 / メラニン形成 / チロシナーゼ / 銅タンパク質 / 金属含有タンパク質 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘモシアニン(Hc)とフェノールオキシダーゼ(PO)は、活性中心に銅を含む二核銅タンパク質である。特に体液中におけるヘモシアニンの存在量は極めて多いことから、甲殻類における銅代謝、銅の利用は生体防御に大きな意味を持つと考えられる。一方、フェリチンは鉄に対する親和性が非常に高く、体液中で病原微生物による鉄利用を制限する機能があると考えられる。本研究では、甲殻類の生体防御に深く関わっていると考えられるこれらの金属含有タンパク質、Hc, PO,フェリチンについて、その遺伝子発現とタンパク質構造形成過程を明らかにすることにより、遷移金属元素と自然免疫の関係について明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、イセエビ (Panulirus japonicus) の体液より調製したヘモシアニン試料を用いて結晶化を行い、1.58Å分解能での立体構造解析に成功した。甲殻類由来のヘモシアニンについては、サブユニット組成の複雑さからこれまで低分解能の解析にとどまっていたが、本研究により活性中心付近の詳細な立体構造と、類縁タンパク質であるフェノールオキシダーゼとの構造比較が可能となった。また、ヘモシアニン、フェノールオキシダーゼの活性中心に銅を誘導し、正しい活性中心の形成を可能とする因子を酵母Two-hybrid systemを用いて探索した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
甲殻類のヘモシアニンとフェノールオキシダーゼは、ともにタイプ3銅タンパク質に分類される類縁タンパク質である。これらのタンパク質は、甲殻類にとって生理的に極めて重要な役割(酸素運搬、生体防御)を担っているだけではなく、黒変などポストハーベストの品質劣化反応にも深く関わっている。したがって、これらのタンパク質の機能について、構造生物学的な基盤から研究する意義は大きく、成果は農学・水産学分野の重要な知見となり得る。これらのタンパク質の活性中心には銅が含まれるが、分子内部に埋没した活性中心に銅をもたらす未知の因子が存在する可能性が考えられる。このようなメタロシャペロンを明らかにした研究例は稀有である。
|