研究課題/領域番号 |
19K06262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
大浦 裕二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80355479)
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研究分担者 |
山本 淳子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, ユニット長 (00355471)
朴 壽永 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (10573165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | WEB調査 / 情報過負荷 / 高齢者 / 生体情報 / アイトラッカー / 食行動 / 視線計測 / 直売所 / 食品 / 農産物 / 脳活動計測 / 意思決定過程 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、商品選択場面における情報過負荷の発生状況に注目し、高齢者の農産物購買時の意思決定の特徴を、個別面接調査、発話プロトコル法、脳活動(感情状態)計測、視線計測により実証的に明らかにする。本研究によって、情報過負荷の低減方策も明らかになることから、高齢者に過度な負担をかけることなく意図した通りに商品を選択するための商品情報の提示方法を提案できる。
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研究実績の概要 |
本年度は、食料品購入時における情報過負荷の類型化と消費者属性の関係をWEB調査により実施するとともに、コロナの影響で実施していなかった生体情報による調査の実現可能性について検討した。まず、首都圏の消費者を対象としたWebアンケート調査(300人回収、有効回答234人)の結果の概要は以下の通りである。先行研究の構造とは異なる「量による混乱」「商品情報の曖昧」「類似による選択困難」「サポート必要」の4因子が抽出され、被説明変数に各因子の因子得点、説明変数に回答者属性と食料品購入チャネル別の月あたりの利用日数を用いて、重回帰分析を行った結果、「量による混乱」「商品情報の曖昧」は60代・70代で正に有意であったことから、高齢者で情報過負荷が発生している可能性が示唆された。特に、商品数や情報が多いまたは曖昧であることがスムーズな食料品購買を妨げている可能性が考えられる。ただし、「量による混乱」「商品情報の曖昧」については、専業主婦/主夫で負に有意であったことから、専業主婦は食料品に対する知識が豊富であるため情報過負荷があまり発生しないことが考えられる。マーケティング分野では商品に対する関与の程度が大きい商品については情報過負荷が発生しづらいことが指摘されている。本研究結果においても食料品購買の頻度が多いと考えられる専業主婦/主夫においては情報過負荷が発生していない傾向がみられたことから、先行研究と整合的あることが確認された。次に、生体情報による調査の実現可能性については、2月に福島県大玉村の直売施設にて、3名の高齢者にアイトラッカーの装着を試みた。その結果、やや精度が落ちるものの、データ入手ができることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、WEB調査により農産物を対象とした高齢者の情報過負荷の発生状況を定量的に把握することができた。ただし、コロナの影響で、生体情報の計測については、計測可能性の確認に留まり、実施するまでには至らなかったため、実施期間を再度1年延長し、進捗状況を「(3)やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
本年度遅れているアイトラッカーを用いた生体情報の計測を実施する。昨年度実施協力を得られた福島県大玉村の直売所にて、高齢者の農産物購買時にどのような場面でどのような情報過負荷が発生するかを、非高齢者との比較を通して検証する。実験は、国および自治体の方針を確認しながら細心の注意を払い実験を進める。なお、感情状態については、視線計測時の瞳孔径の計測、及びプロトコル調査を実施することにより把握することとする。
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