研究課題/領域番号 |
19K06302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
竹村 武士 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, グループ長補佐 (20373227)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 水田域魚類 / タモロコ / 酸素消費量 / 臨界遊泳速度 / 回復 / 酸素消費 / 基礎代謝 / 成育期 / 越冬期 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では遊泳時~遊泳後の酸素消費量に着目する.流速条件が一定以上に速くなってくると嫌気的エネルギー生成を行う普通筋(ヒトの場合の速筋に相当.長時間遊泳には普通筋が用いられない流速条件が必要)が用いられ出すことにより,遊泳終了後には,普通筋が用いられない場合に比較して,酸素消費量が安静時レベルに低下するまでの回復時間および総酸素消費量の増大(酸素債の発生)が生じると予想される.この増大を生じない流速条件について夏季(成育期)および冬季(越冬期)を想定した水温設定下で明らかとする.
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研究成果の概要 |
水田域魚類の保全・再生に向け,数時間~数日間という長時間の遊泳を可能とするため,また,ネットワーク化においては魚道プール部における休憩を可能とするため必要となる流速条件として酸素債を発生させない流速範囲に着目し,タモロコを対象に夏季を想定した水温条件の下で2段階の実験を行った.1段階目としては疑似的に臨界遊泳速度を求め,2段階目として同速度を目安に,段階的に増速していき上限とする速度が異なる3ケースの実験を行い,上限速度到達後の緩流速下における酸素消費量の推移を分析した.その結果,酸素債を発生させない流速は安全側を見込めばおよそ3.4BL/s程度迄の範囲であると推察された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長時間にわたり遊泳可能な速度域,とくに休憩可能な速度域は見過ごされがちであった.本研究では,夏季を想定した水温条件の下,遊泳中から遊泳後にかけた酸素消費量,とくに遊泳後の緩流速下でみられる酸素消費量の推移に着目し,緩流速とした直後の急落かつ低位安定と,高位からの漸減という差が3.38・3.82BL/sの間で生じたことを確認した.このことから酸素債を発生させない,すなわち長時間にわたる遊泳や休憩可能な速度域は安全側を見込めばおよそ3.4BL/s程度迄の範囲と推察され,水田域魚類の保全・再生に向けて重要な知見となることが期待される.
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