研究課題/領域番号 |
19K06322
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
柳橋 秀幸 金沢工業大学, 工学部, 講師 (10553208)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 磁性流体 / 磁気変動 / 磁気検出 / 非接触計測 / 生体情報 / 植物 / 生体生理活性 / 生体電気信号 / 光刺激 / 成長阻害 / 磁性付与 / 均一磁場 / 揺動装置 / 生体電位 / ヘルムホルツコイル / 生理活性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,植物の生体情報(生体生理活性)を非接触で計測する新規手法の確立を目指す世界初の試みである。ナノオーダ粒径の磁性流体を供試植物体内に吸収させ,生体生理活性による溶液輸送に乗じた磁性流体の移動に伴う極微弱磁気変動を捉えることで,磁気計測を通じて間接的に植物の生体生理活性を非接触リアルタイム計測する。研究代表者は植物やキノコをバイオセンサとして栽培環境を自動制御する「生体との対話」型の植物工場を研究,提案しており,生体情報の非接触計測技術は不可欠である。当該計測技術の応用性は高く,ヒト体内の血流や特定部位の代謝のリアルタイムイメージングの安価な実現が見込まれ,医学分野の発展にも寄与する。
|
研究成果の概要 |
本研究では植物の生体情報(生体生理活性)を非接触で計測する新規手法の確立を目的として,ナノオーダ粒径の磁性流体を供試植物体内に吸収させ,生体生理活性に乗じた供試植物体内での磁性流体の移動に起因する極微弱磁気変動の計測を試みた。 取り組みの結果,まず,供試植物の茎部から吸収された磁性流体が葉部に到達し,植物内部から磁性付与できることを明らかにした。次に,磁性流体を吸収した供試植物の葉面に30分間隔の赤色光を提示したところ,光刺激に対する磁性植物由来の明確な磁気応答を捉えることに成功した。我々の調査の限り,両者ともに世界初の成果であり,磁気を介した生体情報の非接触計測が可能であると結論した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来,植物の生体電気信号計測には接触式電極が用いられ,測定対象の成長や信号そのものに影響を及ぼす懸念があったが,今回実証された非接触計測手法はこの問題の解決に寄与すると考えられる。また,当該手法は植物に留まらず生物全般に応用可能であり,生体情報の非接触計測の有力な選択肢となり得る。 また,当該手法は医療分野での技術革新にも寄与すると考えられる。脳波,心電,筋電などヒト部位の活動により得られる生体情報が重要となるが,これらを安価で簡易に非接触計測する方法は乏しい。生体に対して無害になるよう磁性流体粒子を被覆し,溶液も同様に工夫することで医療計測への応用も見込まれ,本研究成果の意義や貢献度は大きい。
|