研究課題/領域番号 |
19K06354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橘 哲也 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (80346832)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ニワトリヒナ / 摂食行動 / toll様受容体 / 家畜行動学 / 家畜栄養学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は病原性微生物がニワトリに感染した際の食欲不振のメカニズムを解明することである。toll様受容体(TLR)は病原性微生物特有の構成成分を認識する受容体で、自然免疫を作動させることから、TLRの活性化が感染時の食欲不振に関わっていると考えられる。そこで、toll様受容体(TLR)に結合する様々なリガンドをニワトリヒナに投与した際の摂食行動および生理反応の変化を調べ、TLRリガンドによるヒナの摂食抑制モデルを確立する。さらに、TLRリガンドによって引き起こされる食欲不振のメカニズムを解明することで、ニワトリヒナの感染時の摂食調節ネットワークを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ニワトリが病原性微生物に感染した際の食欲不振機構を解明することを目的として、TLRリガンドの作用を調べた。まず、ザイモサン、レシキモドおよびフラジェリンがニワトリヒナの摂食を抑制することを見出した。これらの作用機序を解明するため、肥満細胞およびNOの機能について調べたところ、肥満細胞の脱顆粒やNOの過剰産生がヒナの摂食を抑制することを見出した。ただし、NOがTLRリガンドによる摂食抑制に関与していないことを明らかにした。最後に、TLRリガンドによって変動する脳内生理活性物質の遺伝子発現の変化を網羅的に探索し、間脳における甲状腺ホルモンの作用が亢進している可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染時の食欲低下は家禽生産に負の影響を及ぼすものであるが、その機構については不明であった。本研究ではTLRリガンドが食欲不振を引き起こすことを明らかにしたことから、自然免疫の活性化が食欲低下に関わっていることを見出した。また、肥満細胞およびNOの作用についても明らかにした。さらに、自然免疫の活性化に伴って脳内の甲状腺ホルモンの作用が亢進する可能性を見出した。以上のように、ニワトリヒナの自然免疫に新しい情報を与えたとともに、免疫系と中枢神経系の関係性の解明の糸口を見出すことができた。これらの結果を基に、自然免疫系の調節が感染時のニワトリヒナの生産性の維持に貢献する可能性が見出された。
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