研究課題/領域番号 |
19K06374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
向井 孝夫 北里大学, 獣医学部, 教授 (20229917)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ビフィズス菌 / ムチン / 硫酸化糖鎖 / 硫酸化ムチン / 結合 / スルファターゼ / 付着性 / 腸内細菌 / 腸管バリア機能 / プロバイオティクス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、食餌誘導性肥満に伴う腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が腸管バリア機能低下を引き起こすことが示唆され、慢性炎症やそれに伴う生活習慣病や老化の亢進の要因となることが示唆されている。本研究はこれら示唆されてきたことを証明するため、高脂肪摂取やそれによる腸内胆汁酸の増加を介した腸管バリア機能低下に特定の腸内細菌が寄与していることを明らかにするとともに、研究代表者が初めて見出した硫酸化糖鎖結合性ビフィズス菌の腸内定着性の証明とこられの摂取による腸管バリア機能低下に起因する慢性炎症の予防効果を評価することで、「健康長寿に役立つ食品」の開発へ道筋をつけることを最大の目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究では、硫酸化糖結合性Bifidobacterium breveのバリア増強機能や腸内定着機構の一端を明らかにするため、硫酸化糖鎖にアフィニティーを有すると考えられる硫酸化糖代謝系に着目し、硫酸化糖鎖結合タンパク質を見出すこととした。データベース検索の結果、複数のスルファターゼや取り込みにかかわる遺伝子が見出された。本研究では酵素学的手法によって主要なスルファターゼと活性化酵素を特定した。硫酸化糖鎖への結合には硫酸化糖のトランスポーターが寄与している可能性が考えられた。推定トランスポーター遺伝子は特定されたスルファターゼ遺伝子上流に存在したため、現在その遺伝子の欠損株を作製中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B.breveは哺乳開始直後の乳児腸内に定着するビフィズス菌の一種であり、その後の腸管バリア機能や腸管免疫機能の発達に重要な役割を発揮していると考えられているが、なぜ、本菌種がその時期に定着するのかは、十分に理解されていない。先行研究では、共生関係にあるB. bifidumからミルクオリゴ糖やムチン糖鎖分解物である硫酸化糖を得ることが哺乳初期での定着要因の一つとされているため、本菌が第一に硫酸化糖鎖に結合することが重要であると考えている。現在まで、硫酸化糖鎖結合メカニズムの完全解明には至っていないが、もし、解明されれば人工乳を授乳している乳児腸内に本菌を定着させることの一助になる可能性がある。
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