研究課題/領域番号 |
19K06379
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
中牟田 信明 岩手大学, 農学部, 准教授 (00305822)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 嗅覚 / カメ / 嗅覚器 / 遺伝子発現 / ホルモン受容体 / フェロモン |
研究開始時の研究の概要 |
フェロモンとは一般に体内で産生され、体外に分泌された後、同種の他個体に一定の変化をもたらす物質を指す。繁殖期のカメでは、オスが求愛行動に先立って他個体の排泄腔付近に鼻を近付け、おそらく糞や尿に含まれる物質から相手の性別や、さらには繁殖可能な状態かといった情報を得ていると考えられる。本研究では、カメのフェロモン受容システムの解明を目的として、カメの嗅覚器におけるフェロモン受容体候補遺伝子の発現を解析し、周年変化や成長に伴う変化を明らかにする。さらに、カメの嗅覚器における性ホルモン受容体遺伝子の発現を解析することによって、嗅覚受容体遺伝子の発現制御に関与する性ホルモンの同定を試みる。
|
研究成果の概要 |
哺乳類の嗅覚器は嗅上皮と鋤鼻器からなり、嗅上皮には匂い受容体、鋤鼻器には鋤鼻受容体と呼ばれる嗅覚受容体が発現している。また、嗅上皮と鋤鼻器にはそれぞれ樹状突起の先端に線毛をもつ嗅細胞(線毛性嗅細胞)と微絨毛をもつ嗅細胞(微絨毛性嗅細胞)が分布している。カメの嗅覚器は上憩室上皮と下憩室上皮からなり、一般に上憩室上皮には線毛性嗅細胞、下憩室上皮には微絨毛性嗅細胞が分布しているが、どの嗅覚受容体が発現しているかは不明だった。本研究ではカメの嗅覚器における嗅覚受容体遺伝子の発現を解析し、線毛性嗅細胞と微絨毛性嗅細胞の両方に匂い受容体が発現していることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎動物の嗅覚器では一般に、線毛性嗅細胞は匂い受容体、微絨毛性嗅細胞は鋤鼻受容体を発現することが知られている。しかし、これまでに知られているどの動物とも異なり、カメの嗅覚器では、微絨毛性嗅細胞が分布する下憩室上皮でも大部分の嗅細胞が匂い受容体を発現しており、嗅細胞の微細形態学的特徴に基づいて鋤鼻器と見なされる下憩室上皮は、嗅覚受容体の発現に関しては嗅上皮と見なされることを明らかにした。
|