研究課題/領域番号 |
19K06383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | レジオネラ / エフェクター / 原生生物 / 自然宿主 / 共生 / ゾウリムシ / 細胞内寄生 |
研究開始時の研究の概要 |
レジオネラは、ヒトに感染すると重篤な肺炎を引き起こす病原細菌であり、エフェクターと呼ばれる分泌タンパク質がその病原性に最も深く関与している。一方で、原生生物を宿主とすることで環境中にも広く分布している。本研究では、一般的な原生生物であるゾウリムシを宿主モデルとした独自の解析手法により、レジオネラエフェクターの網羅的な機能解析を行う。これにより、これまで解明できなかったエフェクターの新規機能や、既存の情報のアップデートが可能となる。こうして得られた研究成果は、ヒトへの感染源となる環境中でのレジオネラの増殖の制御や、あるいはヒトに感染した後の治療にも応用可能な知見に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
レジオネラが持つIV型分泌装置およびエフェクターの、自然宿主との関係性を構築する上での機能や存在意義を解明することを目的に研究を行った。宿主モデルとしてゾウリムシを利用した独自の解析手法を活用した。結果、ゾウリムシ細胞内での増殖や共生にはIV型分泌装置が必要不可欠であったが、宿主への細胞毒性は非依存的であった。こうした結果は、異なる宿主原生生物種では再現されないことも確認された。以上の結果より、IV型分泌機構の機能や依存度は均一的ではなく、原生生物宿主の種や株によって大きく異なることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レジオネラは基本的にヒトからヒトへの感染が成立せず、菌にとってヒトが最終宿主であることを踏まえると、ヒトに感染した後に、その体内でヒトへの病原性を獲得・進化させた可能性は極めて低いと推察される。すなわち、自然環境中でのレジオネラの生態や宿主生物との関係性を理解し制御することは、ヒトへの感染制御に繋がる重要な視点である。本研究成果を応用することで新たなレジオネラ感染制御法が確立されることが期待できる。
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