研究課題/領域番号 |
19K06406
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
小川 和重 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60231221)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 組織在住マクロファージ / 精巣間質マクロファージ / 肺間質マクロファージ / クッパー細胞 / ニッチ / プロゲステロン / Eph / ephrin / 精巣マクロファージ / 卵巣マクロファージ / 性ステロイド / M1 / M2 / 常在マクロファージ / 器官特異生 / 組織定着機構 / 分極化 / M1分極化 / M2分極化 / ホーミング / 定着機構 |
研究開始時の研究の概要 |
病態とマクロファージ(Mφ)の分極化(炎症性のM1と抗炎症性のM2型)の研究は,単球由来の動員Mφを主体に進んでいる。Mφには,胎生期に食細胞が各器官に浸潤・定着し,器官特異的に分化した自己増殖する常在Mφも存在する。常在Mφの増殖培養は難しく,器官定着機構や炎症時の動態など不明な点が多い。本研究では,代表者が開発した「常在Mφの継代培養・増殖法(特開019-17291)」を活用し,常在Mφの臨床応用を究極の目的に,大量培養できた常在Mφを材料に,器官特異的性状,M1・M2型Mφへの分極化と両Mφの相互作用,器官定着機構とホーミング能を調べ,常在Mφの移植治療法開発の基盤となる研究を行う。
|
研究成果の概要 |
精巣間質マクロファージ(Mφ)の培養増殖と肺間質Mφおよび肝常在Mφの継代培養増殖に成功した。精巣間質Mφがアンドロゲン受容体を発現しプロゲステロン(P4)産生能を有すること,また,P4合成量はcAMPにより有意に増大し,M1分極誘導時に有意に減少することを明らかにした。M1分極誘導時に肺間質MφにiNOS(M1分極マーカー)発現が誘導されるが,arginase 1(M2分極マーカー)発現レベルは定常時と同等で,動員Mφにはない特性を明らかにした。肝常在MφにおけるEphA/ephrin-AとEphB/ephrin-Bシグナルは類洞内皮細胞の模擬膜表面への接着増強に働くことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精巣間質マクロファージ(Mφ)のプロゲステロン(P4)産生は世界初の知見である。ライディッヒ細胞のテストステロン産生・分泌において精巣間質MφのP4を介した局所的な制御機構の存在が示唆されるため,精巣間質MφのP4産生制御は不妊治療のシーズになる。肺間質Mφは分化途中の肺胞Mφと考えられてきたため,研究は進んでいない。開発した方法では大量の肺間質Mφが得られるため,今後の研究への活用が期待できる。肝常在Mφの定着機構は不明であったが,EphA/ephrin-A,EphB/ephrin-Bシグナルを介する肝常在Mφ接着増強を見出した研究結果から,定着機構の一端が解明されたと考えられる。
|