研究課題/領域番号 |
19K06410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
村上 裕信 麻布大学, 獣医学部, 講師 (60620929)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 牛伝染性リンパ腫ウイルス / 伝播性 / 病原性 / 変異 / 感染性分子クローン / 牛伝染性リンパ腫(牛白血病)ウイルス / リバースジェネティクス / 牛伝染性リンパ腫(牛白血病) / BLV / 強毒株 / 弱毒株 / 牛白血病ウイルス / ウイルス株 / 野生株 |
研究開始時の研究の概要 |
牛白血病は、家畜伝染病予防法で指定されている牛の感染症の中で最も発生数が多い。その牛白血病の9割以上は牛白血病ウイルス(BLV)により引き起こされる。現在、我が国でのBLV感染が急速に増加し、経済的損失が拡大している。そこで、本研究では最近明らかとなってきたBLV株間の伝播性および病原性の違いに着目し、その伝播性と病原性を決定する遺伝的特徴を特定する。この事により、感染拡大や経済的損失に大きく関与する株を農場から効率的に排除することが可能となる。本研究を達成することにより、感染率が高い農場であっても効率的にBLVの感染制御および経済的損失を低減させる新たなBLV対策を確立することが可能となる。
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研究成果の概要 |
牛伝染性リンパ腫ウイルスの株ごとのウイルス性状とそれを決定づける遺伝的特徴について解析を行った。伝播性および病原性についてin vitroでウイルス産生量および形質転換誘導能を評価し、それぞれ伝播性および病原性に関連する一塩基多型を検出した。その結果、伝播性と病原性で異なる結果になった。さらに、キメラウイルスによる伝播性および病原性関連領域を解析し、上記結果と統合して解析を行った。その結果、伝播性には175番目塩基の多型が、病原性には複数の多型の関与が示唆された。さらなる解析では、病原性に関連する多型が複数存在するにも関わらず、細胞に与える影響が類似していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
牛伝染性リンパ腫ウイルスは日本国内に蔓延しているウイルスであり、経済的損失が拡大しているため、その制御が非常に重要である。本研究では、感染拡大リスクが高い高伝播性株である175C株を同定したため、簡便な検査が可能となった。一方、病原性に強く関連する変異は認められなかったが、強毒株感染において特異的な宿主反応が認められたことから、宿主因子を標的とした簡便な検査法の確立が有用であることが考えられた。上記の結果は、BLVの感染拡大および発症リスクを簡便に検査することが可能であることを示していることから、BLV感染制御の新たな手法を提示する基礎的知見になりうる。
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