研究課題/領域番号 |
19K06416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
白藤 梨可 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (00549909)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マダニ / 原虫 / バベシア / 介卵伝播 / 卵形成 / 卵黄タンパク質前駆体 / 卵黄タンパク質前駆体受容体 / 獣医学 |
研究開始時の研究の概要 |
マダニ媒介性原虫は、マダニ体内での物理的・免疫学的防御反応を巧みに回避し、発育・増殖し、伝播する。申請者はこれまで、マダニの卵母細胞の成熟に必要不可欠な卵黄タンパク質前駆体(ビテロジェニン;Vg)の量が、原虫感染マダニにおいて増加したことを見出した。そこで、マダニにおけるVgおよびVg受容体(VgR)などの卵形成関連分子が原虫の介卵伝播成立に寄与するのではないか、との仮説を立て、マダニ卵形成関連分子と原虫との分子間相互作用を解明する本研究課題を企画した。具体的には、①原虫と結合するマダニ卵形成関連分子を特定し、②その分子についてRNA干渉法により遺伝子機能を抑制し、原虫の介卵伝播能を検証する。
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研究成果の概要 |
マダニ媒介性原虫のバベシアはマダニ体内で卵巣などの様々な臓器に伝播するが、その伝播メカニズムは不明である。本研究では、マダニの吸血完了(飽血)後~産卵開始前において、体液中に存在する卵黄タンパク質前駆体(ビテロジェニン;Vg)、卵母細胞表面のVg受容体(VgR)などのマダニ卵形成関連分子とバベシアがどのように相互作用するのかを検証した。その結果、未成熟卵母細胞の割合が多い飽血後1日目の体液中に原虫が多く存在すること、バベシアの卵母細胞への伝播にはVg-2が必須であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、バベシア感染マダニモデルを用い、マダニの卵母細胞成熟過程におけるバベシア感染の時系列ならびにバベシア-卵形成関連分子間相互作用の一端を明らかにした。これまで抗マダニワクチン候補分子として注目されることが極めて少なかった卵形成関連分子を解析対象とし、バベシア原虫介卵伝播における卵黄タンパク質前駆体(Vg-2)の重要性を見出した本研究成果は、将来の原虫伝播阻止ワクチンの開発研究へと発展させるための有用な基礎的知見である。
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