研究課題/領域番号 |
19K06438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 功 金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (30774757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / ゼブラフィッシュ / 分化 / シグナル伝達 / 発生 / 血管芽細胞 / インテグリン / 細胞間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では胚発生期における造血幹細胞の形成過程において、インテグリンのシグナル伝達経路がどのように関与しているのかをゼブラフィッシュ胚を用いて解明する。造血幹細胞は血管内皮細胞との共通前駆細胞である血管芽細胞より派生することが知られている。本研究では、インテグリンの下流で機能している可能性のあるLrrc15という細胞表面タンパクに注目し、ゼブラフィッシュ胚を用いたライブイメージング解析などを駆使することによって、インテグリンおよびLrrc15が血管芽細胞においてどのような役割を果たすのかを調べると共に、インテグリンシグナルの増強によって造血幹細胞を増幅させることができるかについての検討を行う。
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研究成果の概要 |
発生過程において造血幹細胞は血管との共通前駆細胞である血管芽細胞より形成されるが、その運命決定に関する詳しい分子機構には不明な点が多かった。本研究ではゼブラフィッシュを用いて血管芽細胞におけるインテグリンシグナル伝達経路の役割を調べ、造血幹細胞の形成に不可欠な分子としてsmall GTPaseの一種であるRhoHを見出した。さらにRhoHはZap70を抑制することで造血幹細胞の形成を促進するという新たな分子機構を明らかにした。本研究で明らかにしたインテグリン-RhoHに関するシグナル伝達機構は造血幹細胞の形成に極めて重要な役割を果たしている可能性が高いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血幹細胞をヒトiPS細胞から分化誘導することができれば、骨髄移植の代替法となるが、未だにiPS細胞から造血幹細胞への分化誘導は困難である。iPS細胞は初期胚の多能性細胞と類似の特徴を持つことから、胚発生期における造血幹細胞の形成過程を生体外で模倣できれば、iPS細胞から造血幹細胞を誘導することが可能になると考えられている。本研究で見出したRhoHは造血幹細胞の形成に重要な分子であることから、今後iPS細胞へ応用することで、造血幹細胞の分化誘導法の確立に貢献できる可能性がある。
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