研究課題/領域番号 |
19K06444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加野 浩一郎 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80271039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 細胞接着 / 増殖 / 脱分化 / 多能性獲得 / 転写調節因子 / 細胞骨格 / アクチンストレスファイバー / Gアクチン / Fアクチン / 卵胞顆粒層細胞 / 細胞形態 / 網羅的遺伝子発現解析 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞分化は特異的な転写因子群の発現によって制御される。また、細胞分化に伴ってアクチン細胞骨格を再構築し、分化細胞それぞれに特徴的な形態へと変化することが知られている。しかし、アクチン細胞骨格の形成、崩壊および再構築による形態変化と分化および脱分化という現象がどのような分子機構によって惹起されるのかについては明らかではない。本研究では、細胞分化、脱分化および多能性獲得がアクチンの動態によって直接制御されることを明らかにし、細胞の「かたち」の変化が分化あるいは脱分化、さらには多能性獲得(幹細胞への可塑性)といった細胞機能の転換を決定する普遍的な機構であることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、細胞の「かたち」の変化が脱分化および多能性獲得といった細胞がもつ機能の転換を決定するかを明らかにする目的で行われた。ブタ卵胞顆粒層細胞(pGC)は培養皿底面に接着する培養6時間後に接着斑および線維状(F)アクチンを形成すると、アロマターゼ遺伝子などpGC特異的遺伝子群の発現が急速に低下した。一方、細胞骨格(CA)の形成に関与する遺伝子群は細胞が伸長する培養12時間後まで急速に増加した。pGCが脱分化する培養12時間後までに発現変動する遺伝子群の上流因子を解析した結果、細胞形態形成および細胞増殖に関与する2つの転写調節因子が抽出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「細胞は特異的な転写因子の発現によって機能的および形態的に分化する」と考えられているなかで、本研究によって、メカノストレスが普遍的に体細胞の分化運命決定を制御する分子メカニズムを明らかにすることは、細胞分化および多能性獲得における新しい概念を生み出すことができる。また、核内転写因子による細胞機能制御の分子メカニズムについては、既に多くの研究がなされているが、本研究で実施するメカノストレスが惹起する体細胞リプログラミングの普遍的な分子メカニズムの解明に取り組むことは、外来遺伝子の導入を必要としない新規の人工多能性細胞の開発につながると考えられる。
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