研究課題/領域番号 |
19K06450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 (2020-2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
佐藤 洋隆 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00708539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | BLV / 感染症 / 抗ウイルス薬 / 阻害剤 / 作用機序解析 / 膜融合阻害 / 低分子化合物 / 機序解明 / 牛白血病ウイルス / 薬剤スクリーニング / ウイルス感染阻害剤 / LuSIA / ウイルス / スクリーニング / 牛白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
牛白血病ウイルス(BLV)は畜産界に大きな経済的損失を与え、食の安全性を脅かすことも示唆されているが、未だレセプターが同定されていないなど感染における不明な点が数多く残り、ワクチンや治療法も開発されていない。本研究では、これまでに同定した独自の構造を持つ5個のBLV感染阻害剤シード化合物から、リード化合物を創生し、標的分子への結合力を強めることで、その分子を同定し、BLV感染における機能を解明することを目的とする。そのために、リード化合物創生、作用点解析、化合物ビーズを用いたpull-down法とLC-MS/MSによる標的分子の同定、同定された標的分子の機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
これまでの研究によって得られた、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に対して阻害作用を示す5種の化合物について、それぞれ類縁構造をもつ化合物(計275化合物)のスクリーニングを行い、最終的にBLV複製阻害活性をもつ3種類の化合物構造を決定した。また、それぞれの構造をもつ、高活性かつ細胞に低毒性なリード化合物(化合物A、B、C)を得ることに成功した。このうち化合物Cは、ウイルス遺伝子の逆転写よりも後で、mRNAの転写よりも前のステップに作用していることが示唆された。さらに、化合物Bについては、ウイルス外膜が細胞の膜に融合する細胞融合のステップを阻害していることを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)の感染を抑制する作用を持つ薬剤について、より活性が高く、毒性の低い薬剤候補を見いだすことができた。これにより作用機序および作用標的の解析が可能になった。また、1化合物についてはその作用機序が細胞膜融合の阻害によるものである事までを明らかにする事ができた。このことは抗BLV薬剤候補として開発していくために重要な発見であった。この薬剤の標的分子を明らかにすることでBLVやその他ウイルスの感染における膜融合機構について新たな知見が得られるものと期待される。
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