研究課題/領域番号 |
19K06458
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉信 公美子 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (20274730)
|
研究分担者 |
荒木 正健 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 准教授 (80271609)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | マウスゲノム / 反復配列 / 遺伝子トラップ / ゲノム編集 / 発現解析 / 表現型解析 / 繰り返し配列 / ゲノム機能 / ノックアウトマウス / KRAB-ZFP遺伝子 / マウス / 染色体領域 / 繰返し配列 / 行動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム配列が解読された現在でも、機能が明らかになっていない遺伝子や未知の配列が多く存在している。我々は、遺伝子トラップ法により得られた配列がマウスゲノム上に反復する領域(CSCT2,4,12,13と呼ぶ)を発見した。さらに、CSCT2とCSCT4には転写抑制に働くKRAB-ZFP遺伝子が集積していることや、それぞれのCSCT内の遺伝子の発現に共通性が見られるといった特徴を見出し、CSCT2とCSCT4が何らかの意味をもつ領域であることが示唆された。本研究では、ゲノム編集によりCSCT2とCSCT4を除去したマウスを作製し、表現型を解析することにより、CSCTの機能を探索する。
|
研究成果の概要 |
我々は、ES細胞を用いた遺伝子トラップ法の過程で、特定の範囲に配列が繰り返す領域を異なる染色体上で4箇所発見した。本研究において、CSCT2(3.1Mbp)とCSCT4(2.1Mbp)の欠損マウスを作製し、それらの機能解析を行った。CSCT2内の遺伝子は成体の脳で発現が強く、また、CSCT4内の遺伝子はユビキタスだが精巣と胎盤に比較的強い発現を示し、発現部位に関連した解析を行った。メガベースに渡る大きな領域を欠損したのにも関わらず、CSCT2欠損マウスおよびCSCT4欠損マウスは、形態・成長・行動・生殖において顕著な表現型を示さなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトやマウスゲノムは、遺伝子領域はほんの2%ほどしかなく、その半分近くはLINEやトランスポゾンなどの繰り返し配列が占める。近年、ジャンクDNAと言われてる領域にも機能があることが徐々にわかってきた。我々は、新しい反復領域としてCSCTを4箇所発見し、それらの機能解析をマウスで行っている。CSCT2とCSCT4は、機能解析からは生体において明らかな機能を見出せなかったが、レトロトランスポゾンの発現抑制に関わることや、マウスゲノムの中でも複雑な構造を持つ特異な領域であることがわかった。ゲノムの配列だけでなく、このような領域についての情報は、ゲノムの全体像の理解に役立てることができる。
|