研究課題/領域番号 |
19K06462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
汲田 和歌子 公益財団法人実験動物中央研究所, マーモセット医学生物学研究部, 研究員 (50549128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | コモンマーモセット / c-kit遺伝子 / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / マーモセット / c-kit |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はゲノム編集技術CRISPR/Cas9で作出したc-kit遺伝子変異コモンマーモセットの有用性を明らかにすることを目的とする。c-kit遺伝子は造血、生殖機能や毛色に関与し、自然突然変異体も含めて、その変異マーモセットは報告がない。作出したc-kit変異マーモセットは遺伝子変異のほか、毛色異常などc-kit変異マウスと同様の表現型が確認できている。さらに血液解析や、変異体が示すc-kit遺伝子配列の発現ベクターをもちいたリン酸化能解析により、個体の特性を明らかにする。またc-kit変異体細胞由来iPS細胞から始原生殖細胞誘導能を検討し、c-kit変異マーモセットの生殖能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ゲノム編集技術と小型霊長類コモンマーモセットをもちいて作出したc-kit遺伝子改変マーモセットの有用性評価のため、c-kit遺伝子が関与する表現型解析を実施した。造血機能解析では野生型マーモセットと差はなかったが、変異個体が示す変異c-Kitのリン酸化能解析では、一部リン酸化能の欠如が示唆された。生殖機能解析では、オスc-kit変異個体の射出精子で改変c-kit遺伝子が検出されたが、メスc-kit変異個体はホルモン値測定により不妊の可能性が示唆された。本検討によりc-kitマーモセットは生殖学分野等で有用である可能性が示され、今後のc-kit変異霊長類モデルの確立に貢献することが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
c-kitマーモセットをもちいた本研究の結果から、c-kit変異マウスとは違う表現型が確認された。これは、霊長類ならではの表現型を見出した可能性が考えられ、ヒトへの応用が期待できる。また不妊のc-kitマーモセットは人工樹立した生殖細胞や、幼若生殖細胞の移植レシピエントに使用できると考えられ、不妊症の原因究明や治療法開発の研究や、霊長類実験動物の問題点である世代時間を短縮する研究などに貢献することが期待できる。
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