研究課題/領域番号 |
19K06466
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
徳永 暁憲 福井大学, ライフサイエンス支援センター, 准教授 (70549451)
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研究分担者 |
多田 敬典 至学館大学, 健康科学部, 教授 (20464993)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 糖尿病 / インスリンシグナル / 1型糖尿病 / PI3K-AKT / 発生工学 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化の進展に伴い認知症対策は喫緊の課題となっている。近年、国内外の疫学研究から糖尿病がアルツハイマー病を含む認知症の重要なリスク要因であることが明らかとなり、認知機能の低下が脳内環境変化のみならず糖尿病に代表される代謝障害の蓄積を受けて体系的に制御されることが示唆されている。本研究では糖尿病を付加した増悪化アルツハイマー病モデルマウスの解析を通じて、認知機能障害へと繋がる分子機序の一端を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
認知症のリスク要因となる糖尿病とアルツハイマー病(AD)の両疾患で生じる脳内環境変化を精査し、海馬・前頭葉部位での機能的タンパク質のシグナル修飾変化と認知機能との相関性を検討した。1型糖尿病モデルであるSTZマウスとADモデルマウスを用いた解析から、行動学的試験で認知機能の低下が認められる時期に先行してAKT, GSK3βなど共通するシグナル変化が観察された。更にAD病変の構成要因であるTau蛋白質の異常リン酸化がSTZマウス脳で強く認められ、病因は異なるがインスリン欠乏性の1型糖尿病においても高血糖状態に伴う障害によりAD脳と相関するシグナル異常が引き起こされることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化の進展に伴い認知症患者の更なる増加が見込まれており、その対策は喫緊の課題となっている。アルツハイマー病と糖尿病には、脳での病態進行において共通する分子基盤があることが明らかにされつつある。これまでにAD患者の死後脳解析からも糖代謝に関わるインスリンシグナルの質的変化が観察されている。今回1型糖尿病モデルにおいても同様のシグナル変化が確認され、血中インスリン量に依存しないシグナル誘導経路の存在が示唆された。今後の研究発展によりAD発症に関わる分子基盤の解明や新たな治療法の開発が期待される。
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