研究課題/領域番号 |
19K06478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020-2021) 北海道大学 (2019) |
研究代表者 |
二宮 賢介 大阪大学, 生命機能研究科, 特任講師(常勤) (00437279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 熱ストレス応答 / 長鎖非コードRNA / スプライシング / 非膜性構造体 / ストレス応答 / 核内構造体 |
研究開始時の研究の概要 |
熱ストレス下の霊長類細胞では核内ストレス体(nuclear Stress Body)と呼ばれる核内構造体が形成される。核内ストレス体の構造と機能は長年謎に包まれていたが、申請者は核内ストレス体の構成蛋白質、および、制御下にある遺伝子を網羅的に同定した。本研究課題は、核内ストレス体の特徴的な構成変動に着目し、その分子機構と細胞における役割を明らかにすることで、核内ストレス体によるストレス応答制御機構を解明することを目的にしている。
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研究成果の概要 |
熱ストレス下で、霊長類ゲノム特異的サテライト領域から転写されるHSATIII lncRNAは、核内で特異的なRNA結合蛋白質を集積し、nuclear stress body(nSB)と呼ばれる巨大な核内構造体を形成するarchitectural RNAである。本課題研究において、nSBが熱ストレス条件下で形成された後、熱ストレス回復過程で経時的に構成因子の種類や修飾を変化させていくこと、さらにその動的特性によって、熱ストレス回復初期に機序の異なる2つのスプライシング制御機構の足場となって、400種以上に及ぶmRNAの発現を制御していることを見出し、それらの成果を二報の論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核内ストレス体は熱ストレス下の細胞核内で形成される霊長類特異的な構造体であるが、その分子機能は30年近くにわたってほとんど解明されていなかった。本研究課題において、核内ストレス体が熱ストレス回復期の遺伝子発現を2つの異なる分子機構の足場となることで制御していることを見出した。この結果は、霊長類特異的な細胞ストレス応答機構の解明に寄与すると考えられる。また、核内ストレス体の足場となる分子は単純な繰り返し配列で構成された長鎖非コードRNAであり、そのRNAが複数の分子機能の共通の足場になりうることを示した点で、学術的にも示唆に富んだ興味深い成果と考えられる。
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