研究課題/領域番号 |
19K06483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
相馬 亜希子 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 講師 (70350329)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | タンパク質合成 / tRNA / 転写後修飾 / 翻訳反応 / 翻訳 / 転写後プロセシング / オルガネラ / 遺伝暗号 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物のオルガネラは独自の遺伝子発現系を有し、tRNAも各オルガネラゲノムにコードされているが、コドンの数に対してtRNA遺伝子の数や種類が圧倒的に足りないことが知られている。動物や酵母では、細胞質tRNAのオルガネラへの輸送によりこの問題を解決している 。植物のオルガネラでもtRNAが足りないが、研究例が少なくそのメカニズムには不明な点が多く残されている。本研究では限定的なtRNA-アミノアシル化酵素セットしか持たない極限環境単細胞藻類C. merolaeを実験対象として、遺伝暗号の解読機構および生育環境や遺伝子発現機構の特徴との相関性を解明する。
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研究成果の概要 |
tRNAはタンパク質合成反応に必須の分子であり、その転写後プロセシングやアミノアシル化に関する知見は学術的にも工業的にも重要である。植物オルガネラにおけるタンパク質合成反応には不明な点も多くの残されており、一揃いのtRNAやアミノアシル化酵素の遺伝子セットがオルガネラゲノムにコードされていない場合が多い。本研究では微細藻類を材料として解析を行い、オルガネラのtRNA遺伝子やアミノアシル化酵素遺伝子の不足がtRNAの転写後修飾や細胞質からのtRNAおよびアミノアシル化酵素の輸送によって補われていることを明らかにした。本研究からオルガネラのタンパク質合成反応機構の多様性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果から植物オルガネラのtRNA遺伝子やアミノアシル化酵素遺伝子の不足がどのように補われているのか、その一端が明らかとなった。本研究は遺伝暗号の認識機構の新たな一例を示したものであり、生物種やオルガネラなどタンパク質合成系における違いや多様性を明らかにした。以上が本研究の学術的意義が高い点である。オルガネラのタンパク質合成は植物の物質生産において中心的な役割を果たす。その分子機構の解明は応用研究においても重要な知見であり、本研究の社会的意義が高い点である。
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