研究課題/領域番号 |
19K06484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
泉 奈津子 東京大学, 定量生命科学研究所, 技術専門職員 (50579274)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | piRNA / Siwi / BmAgo3 / Gtsf / Ago3 / リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、カイコのPIWIタンパク質であるBmAgo3のリン酸化の意義を明らかにすることを目的とし、具体的には以下の3点の解析を行う。 (1)BmAgo3のリン酸化部位を質量分析により同定する。 (2)リン酸化部位の変異体を作製し、その挙動を野生型BmAgo3と比較する。 (3)BmAgo3のリン酸化を司るキナーゼを同定を試みる。 上記の解析を通じ、BmAgo3のリン酸化の意義、piRNA産生との関係を明らかにするとともにBmAgo3のリン酸化がどのように制御されているのかを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では当初、BmAgo3のリン酸化による制御を研究課題としていたが、研究開始後に関連する報告がなされたため、BmAgo3のリン酸化が亢進する、Siwi非存在下におけるBmAgo3複合体の解析を行った。その解析の中で、piRNA因子の一つとして知られるGtsf1のパラログ、Gtsf1LがSiwi非存在下でBmAgo複合体に蓄積することを見いだした。さらなる解析の結果、カイコにおいて、Gtsf1、Gtsf1Lという2つのGtsfパラログが、Siwi、BmAgo3と特異的に相互作用し、各々の標的切断を促進することで、piRNA経路において独立に機能していることを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
piRNAが産生できない動物個体は、配偶子形成が不全となり不妊となる。ヒトの無精子症においても、piRNA産生に関わる因子の変異が報告されてきており、piRNA産生の分子機構の解明は、不妊症の原因理解にもつながる社会的意義のある研究課題である。PIWIの標的切断はpiRNA産生の原動力となっていることから、本研究を契機に明らかとなった、カイコGtsfタンパク質によるPIWIの標的切断の促進は、piRNA産生機構の理解を大きく前進させるものといえる。
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