研究課題/領域番号 |
19K06486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 綾 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(RPD) (40595112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 減数分裂 / 染色体 / 交叉 / 線虫 / DNA二重鎖切断 / リン酸化修飾 / 相同染色体 / synapsis / 対合 / 相分離 / プロテインホスファターゼ |
研究開始時の研究の概要 |
減数分裂において染色体が正常に分離されるためには、減数分裂前期にDNA二重鎖の切断によって促進される相同染色体間の交叉が正常に形成されることが必要である。そのためには、多すぎず、少なすぎない数の二重鎖切断がDNA切断酵素SPO-11によってつくられることが必須である。そこで本研究では、生殖細胞が非常に豊富な線虫をモデル生物として用い、減数分裂前期における「ちょうどよい量のDNA切断」が作られ、正常な卵子・精子が生み出される制御機構の一端を理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
減数分裂において染色体が正常に分離されるためには、減数分裂前期にDNA二重鎖の切断によって促進される相同染色体間の交叉が正常に形成されることが必要である。そのためには、適切なレベルのプログラムされたDNA二重鎖切断がDNA切断酵素SPO-11によってつくられることが必須である。本研究は、線虫をモデル生物として、脱リン酸化酵素PP4と、それに拮抗するATRキナーゼが、DSB-1タンパク質の活性を調節することで、SPO-11活性を制御し、減数分裂前期における「ちょうどよい量のDNA切断」をつくりだすということを示した。この結果は、2022年にeLife誌に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精子と卵子を正常につくるためには、減数分裂において正確に染色体が分配される必要がある。減数第一分裂において染色体を双極に分離するためには、相同染色体間に交叉と呼ばれDNAの組み換え構造が作られている必要がある。この組み換え構造は、DNA二重鎖を酵素により切断し、それを母方と父方染色体間で繋ぎかえることにより作られるが、この時、DNA二重鎖切断の量を制御するメカニズムは謎のままであった。我々は、DNA切断酵素を補助するDSB-1と呼ばれるタンパク質の活性が、ATRとPP4と呼ばれる拮抗する二つの酵素の働きによりバランスよく保たれており、それが適切な量のDNA二重鎖を作ることを示した。
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