研究課題/領域番号 |
19K06502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
波平 昌一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (60379534)
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研究分担者 |
新木 和孝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60514255)
齋藤 裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60721496)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | DNAメチル化 / DNMT1 / 神経細胞 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、マウスとヒトの神経細胞(ニューロン)において、分裂を終えた細胞での機能が未知である維持型DNAメチル化酵素DNMT1に着目し、その機能解明と、精神・発達障害との関連を明示することである。特に本研究は、ニューロン特異的にDNMT1を過剰発現する申請者が独自に開発した新規遺伝子改変マウスを利用し、生化学的解析、及び、行動学的解析を実施することで、疾患との関連を示す。
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研究成果の概要 |
本研究は、非分裂性のニューロンにおけるDNAメチル化酵素DNMT1の役割と、その機能異常と精神疾患の関連を明らかにすることを目的とした。本研究の遂行の結果、DNMT1が神経機能の正常な発現に必須な遺伝子群のエンハンサー領域のDNAメチル化の維持に関わることが明らかとなった。更に、特定のゲノム領域においては、DNMT1がDNA脱メチル化にも寄与することも見出した。また、ヒトニューロンにおいてもマウスニューロンと同様の役割を担っていることも示唆した。これらの結果は、DNMT1の機能に関する新規の知見を提示すると共に、DNMT1の機能異常が神経疾患の発症に関わることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の遂行から、ニューロンにおけるDNMT1が担うゲノム領域特異的なDNAメチル化制御機構について新たな知見を提示することができた。加えて、DNMT1が脳神経の発達と機能発現に重要な役割を担うとともに、その機能異常が精神疾患の発症に関わることを示唆することができている。このことは、DNMT1やDNAメチル化が、精神疾患のみならず発達障害や幼児期の環境ストレスによるPTSDなどの治療の標的なる得る可能性を示唆している。従って、本研究の結果は、学術的価値が高いだけでなく、臨床的側面からも重要な意義を持つと考えている。
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