研究課題/領域番号 |
19K06519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中村 彰良 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (10583891)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / tRNA修飾 / アミノアシルtRNA合成酵素 / DNA/RNAポリメラーゼ / 核酸 / タンパク質 / 鋳型依存塩基伸長 / 3'-5'方向塩基伸長 / 鋳型依存伸長反応 / 逆向き重合 / 酵素 / タンパク質-核酸相互作用 / tRNA |
研究開始時の研究の概要 |
核酸合成を担う酵素は全て5′-3′方向に塩基伸長するというのは長らく定説であったが、近年逆向きの3′-5′方向へ塩基伸長する酵素Thg1が発見された。しかし、なぜThg1には逆方向の塩基伸長活性が現存するのか、その生物学的意義の解明には至っていない。そこで本研究では、ランダムRNAライブラリーからThg1の基質となりうる新規RNAを探索し、Thg1との複合体の構造解析を行うことで、Thg1のRNA認識における多様性を解明することを目的とする。最終的には、得られた構造情報から、Thg1が制御する生体内RNAを同定し、生命現象における逆方向の塩基伸長の意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年、逆向きの3’-5’方向へ塩基伸長する酵素Thg1が発見され注目を浴びている。しかし、Thg1に現存する逆方向の塩基伸長活性の生物学的意義の解明には至っていない。 本研究ではヒトThg1の異なる鋳型塩基に対する塩基付加活性測定から、ヒトThg1には2種類の塩基認識機構が存在することを明らかにした。この内、ヒトThg1が生成するU:A塩基対を含むtRNAは乳がん細胞等でpiRNAとして機能することが報告されており、逆方向の塩基伸長活性の新たな生体内機能を提唱した。また、ミトコンドリアtRNAとの複合体構造から、C末端ドメインとtRNAの結合が塩基認識にも関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではThg1の逆向きの3’-5’方向へ塩基伸長活性がpiRNA合成と関与することを明らかにし、新たな生体内機能を示唆することができた。さらに、ヒトThg1が様々な修飾塩基をRNAの5’末端に付加できることを明らかにしたことから、ヒトThg1を活用した新たなRNAラベリング技術開発も期待できる。
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