研究課題/領域番号 |
19K06564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
両角 佑一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80571439)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | mTORC1 / 分裂酵母 / ラパマイシン / target of rapamycin / TORC1 / シグナル伝達経路 |
研究開始時の研究の概要 |
mTORシグナル経路は、がん、免疫系、オートファジー、細胞老化など広汎な生命現象に密接に関わることから近年注目を集めており、多方面への臨床応用が期待されているが、依然として不明な点も多い。そこで、mTORキナーゼが形成する2種類の複合体のうちmTORC1に焦点を絞り、 (i) mTORC1の基質認識機構 (ii) 基質のリン酸化部位とリン酸化による基質の機能制御機構 を解明することを本研究の目的とする。本研究では、mTORC1経路がヒトに近い分裂酵母をモデルとして、遺伝学、細胞学、生化学的手法を駆使することで、生物種間に普遍的なmTORC1経路の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
真核生物間で保存されたmTORタンパク質キナーゼは、mTORC1と呼ばれる複合体を形成し、様々な基質をリン酸化することで細胞成長や代謝を制御する。本研究では、mTORC1経路がヒトに非常に近い分裂酵母をモデルとして、mTORC1がどのように基質を認識しリン酸化するのか、また、リン酸化による基質の機能制御を明らかにすることで、mTORC1シグナル経路伝達機構の理解を目指した。本研究を通じて、分裂酵母とヒトの間で保存されたmTORC1の基質認識機構が備わっていることが明らかとなった。また、mTORC1のサブユニットの変異体が、mTORC1の基質探索の有用なツールになりうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mTORC1は、周辺環境の栄養源などに応答し、細胞成長や増殖を制御しているため、その活性異常はがんをはじめ、糖尿病や神経疾患など様々な疾病を原因となることがわかっている。また、近年mTORC1は老化や寿命と密接に関わることもわかってきており、医薬品開発における分子標的としてmTORC1が非常に注目されている。本研究は、mTORC1がどのようにして基質を認識するのかそのメカニズムを探るものであり、mTORC1シグナル経路の分子機構の理解のみならず、その臨床応用への足ががりとなる基盤情報の提供へとつながることが期待される。
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