研究課題/領域番号 |
19K06609
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 祥子 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任助教 (90624966)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ヘテロクロマチン / ヌクレオソーム / クライオ電子顕微鏡 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物のゲノムDNAは、ヒストンタンパク質八量体にDNAが巻き付いたヌクレオソームを基本単位としてクロマチン構造を形成している。クロマチンはさらに高次に折り畳まれ、構造的・機能的に異なる区画を形成する。遺伝子を多く含むユークロマチン領域に対し、構成的ヘテロクロマチン領域は、リピート配列やトランスポゾン由来の配列を多く含み、ゲノムの安定性に寄与している。本研究では、構成的ヘテロクロマチン維持の基盤となる複合体を試験管内で再構成し、その立体構造を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
真核生物のゲノムDNAは、ヌクレオソームを基本単位としてクロマチンを形成し、構造的・機能的に異なる区画を形成して遺伝子発現やゲノムの安定性を制御している。本研究では、構成的ヘテロクロマチンのエピジェネティックマークの書き込み因子であるSUV39Hと、読み取り因子であるヘテロクロマチンタンパク質HP1、およびヌクレオソームとで形成される複合体の立体構造を解析することにより、ヘテロクロマチン形成の機構を明らかにすることを目的とした。本研究では、HP1-クロマチン複合体の電子線トモグラフィー像を得ることに成功した。また、クライオ電子顕微鏡解析の高度化の過程で、新規ヌクレオソーム構造を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構成的ヘテロクロマチンは、その領域からの転写やDNA組換えを抑制することによりゲノムの安定性に寄与すると考えられている領域であり、その破綻は癌などの疾患に繋がる。本研究で行ったHP1-クロマチン複合体の構造解析は、ヘテロクロマチン領域の形成と維持の機構解明のための基盤情報となるものである。また、クライオ電子顕微鏡解析技術の高度化の過程で得られた新規構造のうち、ヒト病原性寄生虫であるジアルジアのヌクレオソーム構造は、創薬の基盤情報を提供するものである。
|