研究課題/領域番号 |
19K06627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 准教授 (90223297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ゲノム / 古細菌 / システム解析 / 遺伝子 / ハイスループット / 変異 / 表現型 / 選択圧 / 高度好塩性古細菌 / ゲノム解析 / UV変異 / ゲノム多様性 / 化学変異原 / 光回復 / ゲノムシーケンス / 次世代ゲノムライブラリー作成 / 好塩性古細菌 / UV照射 / 突然変異 / 微生物 / 好アルカリ性古細菌 / 走性 / 次世代シーケンス / トランスポゼース / 磁気ビーズ / ハイスループット化 / 遺伝学 / システム |
研究開始時の研究の概要 |
様々な生物のゲノムが大量に読まれる時代が到来した。しかし、ゲノム中の遺伝子 (ORF)の機能は分かっていないものが多く、ゲノムから生命を理解する際の大きな課題の1つとなっている。次世代シーケンサー(NGS)解析で強化された順方向遺伝学は、ゲノム中の遺伝子 (ORF) を生物機能システムの構成要素として理解する強力な手法である。このパワフルな順遺伝学を微生物の走性システムに適用し、システムに関係するORFを推定すると同時に、新規に得られる関連遺伝子数から、走性システムのサイズ(関係する遺伝子数)を見積もる手法を構築する。
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研究成果の概要 |
目的達成のため、十分な変異数を持つランダム変異ライブラリーの構築を試みた。その過程において、これまで効率的に変異を導入できると考えられていたUV処理やEMS変異などの変異原処理が、生存率を極めて低くする処理条件においてもそれほど多数の変異が導入されるわけではないことを、大量ゲノム解析を行うことで確認した(UV変異導入の場合に最大で平均 0.5/ゲノム程度)。この低い変異導入率のままでも、なんらかのストレスをかけて選択することで、導入される変異数が増加することがわかった。また、1種類の微生物の1000株を超える大量ゲノム解析から、凍結保存株に潜在的なゲノム多様性が存在することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には、これまで遺伝子変異導入に使われてきたUV変異による突然変異導入効率を、1000株程度のゲノム解析を行うことで決定し、高度好塩性好アルカリ性古細菌では、最大でも平均0.5個/ゲノム程度であることを決めたことと、凍結保存した株においてもかなりのゲノム多様性が存在することを明らかにしたことが、今後の知見として重要であると考える。社会的には、UVなどの変異原に対する生物の処理方法(完全に修復するか、さもなくば死ぬ)と修復能力の高さが強調でき、同時に、直接沢山の生物のゲノム解析を行うことでゲノム変異の種類や程度を調べることができる時代になったことが伝えられる点で意義深いと考えている。
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